広島県東広島市八本松町
2015年6月 開業
インタビュー時期:2020年1月
19歳の時から50歳手前まで、30年くらい土木関係の測量設計をやっていました。勤めていた時は、30歳手前で管理職になって、測量分野で独立して自分で経営していました。
その後、バブルがはじけて業績が思わしくなった時に大手の会社さんで測量部門がないということもあり、部門の立ち上げに手を貸してほしいという声を掛けていただいたので、そちらの会社さんにお世話になることになりました。
そこで6年間こちらの地域での大手会社の仕事をしていましたね。
6年間仕事して、当初お願いされていた仕事も任務完了したというところで、どうしようかと考えていた時に仕事をさせてもらっていた会社に戻って来て欲しいということで役員付けで入って仕事していました。
トントン拍子で出世したというか、責任だけ重くなっていったというか(笑)グループ各社で、海外と全国にある業績の悪い会社の管理を担当していました。
基本的には測量分野で、まずは工程管理から入っていきましたね。 管理が杜撰だから儲けが出ない事が多く、それを測量分野の技術者として教育に入っていく感じでした。
2年間、東広島から隣接県に2時間弱を要して通ったんですよ(笑)
でも、土地が変わればやっぱり言う事を聞いてくれないし、40代の私が60歳手前になろうかという社長に指示を出してもなかなか思うように進まないんですよね。 当然、年齢も経験も先輩ですから丁寧にやっていったのですが、構造を変えていくことに拒否反応が強くて「そんなに自分の事を信用してくれないんだったら辞めるよ」とそこのグループ会社の社長に言ったんです。
その後、本体の会長のところに行こうと社長を連れて行って退任届を出しちゃいました(笑)
役員になっていれば定年なんてありませんしね。そこにいれば安泰ということはないにしても、もう我慢できなくなって。
人から聞けば些細な事かもしれませんが、自分にとってはストレスもあって勤め人を辞めました。
それで地元に帰ってきて、色々自分の持っているものを考えてみたときに、昔からモノを作る事が大好きだったんですよね。 今、ここ(作業場)にある物は全て自分で作ったものばかりなんです 作業台とかこういう台とか棚とかもそうですし。押入れを取っ払って、バラして半分にしてさげてデスクにしたり。
それで、何をやろうかと探していて、モノづくりは好きだからモノづくりができる仕事を探しました。 そこで金沢屋と出会って「面白いなぁ、この襖・障子ってどんなのかなぁ」と感じて、これでいこうかなと思ったんです。
そして、まず説明会に行ってみようと言うことで、当時はこの近辺で説明会はなかったので一番早くて一番近いのが四国だったので四国まで行きました。
5年前で、平成27年でしたね。
平成27年5月くらいから動き出しました。退職金は当然無いですし、何にも無いからそれから借入を申し込んだり。
5月連休明けに説明を聞いて、5月18日に契約をしました。
契約をしに行く時にも融資がOKかどうかわからないような状態で名古屋まで契約をしに行って。 名古屋の最寄りの駅から歩いている途中に電話がかかって来て「あ、融資OKですよ、升本さん」と。 「あぁ、本当?ありがとう。じゃあ今から契約行きます」と言って。
色々見切り発車でしたね(笑)
その当時49歳で、平成27年6月16日にオープンしました。 6月14日まで研修を受けて、翌々日にオープンさせました。
見切り発車の上、最短ルートでの開業でしたね。
ですから、研修中にチラシの準備をしたり、必要な道具や機材、本部が用意している開業パックなどもありますから研修先で全部準備していました。
はい、選択肢としては色々とありました。
フランチャイズの中でいくつか調べてみました。掃除関係のフランチャイズとか車のリペアなんかですね。
そこで考えたのは、掃除のビジネスだとお客様の見方がそれぞれで、クレームが多い仕事なんじゃないかなと感じました。 「綺麗になった。ありがとう!」と、綺麗になったつもりでも、そのお客様の主観も入りますし手離れ悪いなと。
あとは車のリペアは良かったんだけど資金的にちょっと高くつく所があったので。 とはいえ、パーツとか色々な物が出ているから、そういう物を作ってネット販売しようかなという考えもあったんですけど、元手が凄くかかりますしね。
金沢屋の場合でも原価やら折込チラシ代やら色々と説明はあったのですが、頑張ればこれに近い所にいけるんだろうなと思って。現実に一番近いように感じられました。
大工仕事というか、今流行りのDIYは私自身が昔からモノを作ったりとか、木が好きだったので。 あとは、金沢屋の先代社長が元々はダイタクという工務店から始まって、そこから襖・障子部門を立ち上げてこられてフランチャイズにされましたしね。それで襖・障子・網戸の後に付随してくるリフォーム関係の仕事も私でも取り組めるだろうと思ったのが決め手でした。
何よりもモノづくりが好きだったということですかね。
良くなかったですね。 6月16日から7月分の1ヶ月半をまとめての集計は170万円は超えていましたけど、件数が50件くらいでした。 もう死にもの狂いでやっていましたね。
それでも、止めずに折込チラシを打たないといけないですし。毎月欠かさず3万部、3万部と思って出して、良い時は良いけど…今現在でも月に30件は無いんですよ。
2019年だと259件のご依頼件数でしたから。
いわゆる繁忙期の時でも35件。40件いく事はほぼありません。今年(2019年)の消費税が変わる9月でも40件、あれが過去最高でした。
金沢屋のモデルケースの3万部で30件くらいという数字にはなりませんでしたね。地域や時期の問題ももちろんあるかもしれませんが。
ただ、最初のオープン時は、今よりかは電話の本数が多かったかもしれません。
3年かかりました。 ただ、普通にやっていれば3年はかかっていないと思います。兼業農家で百姓もしているんです。
農機具修理代、農機具交換とか。金沢屋の仕事始めてから農機具だけでも1000万以上使っています。そっちもあるからある程度しんどさもありましたね。
また今年から増やして、他の場所でも米を作るようにしているんです。息子と「米を運ぶのがしんどいね」という話が出て「そうだなぁ。フォークリフト買うか」とフォークリフトだけでも先行して納車してもらって。
だから農業の方は極力時間を短縮してやって、金沢屋に専念したいという思いで機械を大きくしたりとか。百姓をしながらこの仕事をしている人はいないんじゃないですかね(笑)
お客様のニーズに合わせてというのがベースですが、現在使用されているもの同等以上のものは提案するようにしています。安かろう悪かろうではダメですからね。
材料の端切れは全部鞄の中に入れてあって、お客様に実際に手に取ってもらって破いてみて貰ったりと。障子は特にそうですが、襖も同じように比べてもらいます。
お客様の予算もありますから、数は多くはありませんが分割払いでもお受けしたりすることもあります。
最近だとお客様1件あたりの単価が10万円は超えています。今ここで置いてあるものも全部15万円ですし、30万円を超える物もあります。
これだけで聞いてしまうと押し売りなんじゃないかと思われてしまいそうですが、決してそんなことはなくて、きちんと提案をして素材を見てもらって体感していただくと良いものを選んでくださるんですよね。
ですので、件数が少ないながらもスケジュールとしても余裕をもって丁寧な仕事ができていると思っています。
いえ、そんなことはありません まだまだ、お客様への提案の仕方も慣れていませんでしたから、きちんと提案できずに単価の低いものばかりをお勧めしていました。
色々とたくさんありますね。当時は、今のような置き場や環境ではありませんでした。
例えば、車も作業場の正面に置けなかったのを置けるようにしたりしました。以前は、母屋の玄関から作業場所までグルっと回って引き取ったものを持ってきていたのですが、目の前にあった築山をユンボで土を全部どかして直接作業場に入れるように導線を作り直しました。
そのあと、土だけだったところにウッドデッキを作って、外でも作業ができるようにスペースを作ったり、色々と工夫していますね。
当時は私一人でしたが、作業台も二台置いていました。幅の広い建具なんかも二台あればやりやすいですしね。
スケジュール管理はGoogleカレンダーを利用しているのですが、見積もりが青で赤が納品でという感じで色分けしてわかりやすくはしていますね。緑が現場先仕事で家族とも共有しているので、そういう時は連絡来ないですし。
ここに入れておけば電話番号や連絡先とか地図も自動で出ますしね。
今は息子にも手伝ってもらっています。一人では250万円くらいの売上で十分かなと思っていましたが、300万円は上げたいなと考えています。
その分、お客様の数も増やしていかないといけないんですけどね。
お預かりしている間のお客様の生活環境が変わる事を意識しますね 襖が無くなったり障子が無くなったりすると冬場になれば室内温度が2~3℃変わりますから、極力預かったら最短で、中一日くらいでお納めするようにしています。襖であれば選んでもらった紙の仕入れをしないといけないから、後日引取りに行きますという事で襖がない時間を短くする。
材料が用意出来た段階で、朝から早めに引き取って翌日の夕方にはお納めするというような感じで。 要は、預かった事によってお客様の日常の環境が崩れるのを気にして、それは必ず相談していますね。
普段使っている部屋から離れた所の仏間であったりしたら「あ、ここは大丈夫。寝床じゃないしいつもいるわけじゃないから良いよ」と言われたら甘えて3~4日貰ったりすることはありますが。
仙台中山・八幡店の今野さんが作られたプロフィールシートも活用させてもらっていますが、それ以外では施工した実績の写真とか私ができる仕事がわかるファイルを見積もりの時などお待ちいただいている際にご覧いただいたりしています。
単価が他よりも高いという話はしていましたが、引手をサービスしたり、引き戸の部分で戸車が付いていれば交換したりと。押入れの裏紙はサービスでつけたりしていますね。
単純に単価を上げるわけではなく、サービス全体に付加価値をつけています。
いやぁ、嫌だな。すぐでも辞めたいな!冗談ですけど(笑)
途中それこそ看板を降ろしてから自分でも出来るじゃんっていうのもありますが、例えばロイヤリティの5万円が高いか安いかという所から考えたら、僕は安いと思っています。
これだけ大人数のオーナー同士のチームワークだったり、色々わからない事でも普通に問いかけも出来ますし、チーム金沢屋という環境がとても良いと感じます。
今は何かわからないとか困ったりということはあまりありませんが、金沢屋のグループLINEに問いかけたら誰かが教えてくれたり。そういう環境をオーナー同士でも、本部を通してでも、他のフランチャイズよりも整備されているんじゃないでしょうか。
オーナー同士の飲み会とかは結構ありますね。この辺りは中国地方ですが、名古屋のオーナーさんたちと仲良くさせてもらっていて、忘年会は必ず呼ばれるんですよ。
メールで突然「升本さん、予定入れておきました」(笑)そのくらいざっくばらんに。だからそういう面でフランチャイズは良いですね。
あまり、他のオーナーさんと交流ない方もいるかもしれませんが、エリア会議とか年に2回はあるわけですから参加されるといいと思いますよ。そういうので段々仲良くなって、オーナーさん独自の技術やノウハウなんかも吸収できますしね。
私の場合はエリア会議でもエリア外の所へ行って自分がやっている事をゲストオーナーとしてスピーチさせてもらっています。名古屋・大阪・埼玉に行かせてもらっているんですけど、そこでまた他のオーナーさんと仲良くなったり。
ほとんどのオーナーさんが個人事業主でやっていたら淋しさもありますしね。こういうオーナー同士の輪がどんどん広がって楽しんでいます。
趣味がバイクなんです。 そんなに数は多くないですが、年に5回くらいどこかに行っていますね。
凄く抽象的な答えになるけど、まずはやる気ですかね。
テクニックというか基本でもありますが、折込チラシの撒き方も大事ですね。 きちんと定期的に欠かさず撒くこと、仕事があるから撒かないというのは良くなかったりするんですよ。
我に厳しく。 「まぁいいや」という軽い気持ちでやっていたらやっぱり駄目ですね。 あとは恐れても駄目。金沢屋の五箇条を徹底することじゃないでしょうか。
「恐れずチャレンジしよう」「プロとしての覚悟を持とう」とかですね。 プロとは下手とか上手とかじゃない。お金を貰ったらもうプロなんだと。
プロとして自分に厳しく。 色んな事にチャレンジしていくことが大事だと思っています。
まずは75歳まで働こうと思っています。今から20年間ですね。
息子が「もう俺がやるよ」と言えば良いけど、今はまだ給料をもらうだけという感覚が強いんですよね。 息子が張替えをした納品前の商品を、私が1枚1枚チェックしているんです。それで「あら?」というのがあることもしばしばあって直したりすることがあるんですよね。
そういう細かいかもしれないですけど、自分に厳しく頑張ってやろうという気になって、仕事が金儲けの為という事じゃなく、この仕事が好きだからやっているので「大好きですよこの仕事」と、私はハッキリ胸を張って言えるから、そういう状態が息子にも出てきたら、60歳でも辞めるかもしれませんね。
理想は、60歳くらいから日本一周バイク乗って、2週間くらい家を空にしてみたいですね。
金沢屋 八本松原店
広島県東広島市八本松町