襖・障子・網戸の張替専門の店舗運営を行う現役金沢屋オーナーに金沢屋を選んだ理由をインタビュー

金沢屋 栄町店

札幌市東区北38条東
2019年6月開業

インタビュー時期:2019年9月

独立したきっかけを教えてください。

今60歳なんですが、56歳くらいからかな……定年間近になってきた頃、「自分で何かやれるものは無いかな?」と思い始めてたんですよね。ビルメンテナンスの会社で総務として15年働いたんですけど、達成感というか、ちょっとなんか物足りなくて。

そんな時、総務の仕事上で付き合いのあった郵便局の局長さんから「そちらの会社で除雪の仕事をやれないの?」という相談を受けて、そのまま契約が取れたことがあったんです。事務職だったのに、営業みたいなことになったんですよね。そしたら、その郵便局長が他の郵便局にも声をかけてくれて、他にも2ヶ所契約が取れたんです。

その一件があって、「お客様と直接お仕事するのは面白いなぁ」と。元々、お客様のところに行ったりする部署へ異動したいという話も会社にはしてたんですけど、それがどうも叶わなくて事務をやっていたんです。次に働くならやっぱり営業みたいな仕事が良いなと思って転職先を探したんですけど、57歳にもなると、なかなか無いんですよね。

そんな中で、フランチャイズフェアというものがあったんで、ちょっと平日休みを取って覗きに行ったんですよ。特に業種とかは絞っていなかったんですけど、その時に話を聞いたのが金沢屋と介護施設と結婚相談所の3ヶ所。

3つのフランチャイズから話を聞いた中で、金沢屋を選んだのはどうしてですか?

襖・障子なんて自分には全然馴染みが無いですから、話を聞く気も無かったんですけど、声をかけてもらったので話だけなら良いかなって、聞いてみることにしたんです。そしたら意外にも記憶に残っちゃって。襖・障子・網戸だけじゃなくて、畳とか他にも扱える範囲が広がるっていうのが、自分にはもしかしたら合ってるのかもって。

もともと、高齢者の生活のサポートができるような仕事がしたいなと思ってたんですよね。それが加入の一番の理由です。金沢屋の仕事は、まさにそういう内容なので。年齢的に考えたら、あと何年働けるか分からないじゃないですか? 人生100年時代とは言われてますけど、もし75歳まで働くとしたら正味あと15年。その15年を会社に縛られるんじゃなくて、人に喜んでもらえるような仕事をしたいなという気持ちが強かったんです。

まあそれで、「ガッツリ儲けてやろう」と思っていないから、たまにちょっと損をすることもあるんですけどね(笑)

開業当初の様子はいかがでしたか?

オープンは2019年の4月の予定だったんですけど、前の仕事が落ち着かなかったので6月に開業という形にしてもらいました。オープンしてからは件数的には好調でしたね。開業するタイミングとしては悪くなかったんだと思います。

ただ、仕事に慣れてないもんですから、本部から聞いている通り「3万枚のチラシを撒いて30件くらいの電話が来る」んだとしたら、対応できなくなるんじゃないか……と思って、いっぺんに3万枚撒かずに、2万枚と1万枚とを1週間ずらしで2回に分けて撒きました。

そんな風にしましたけど、結果的に本部から聞いている以上に反響を頂けたので良かったです(笑) いまだに反響率は良いままですしね。8月は1ヶ月で40件ぐらいあったかな。

事前の研修は現場で活かせましたか?

座学の資料もきちんとしているし、実技もちゃんとしてましたから、研修は良かったですよ。自分の出来栄えは別にして。どちらかというと私は作業系の仕事が得意じゃないもので、お客様の所で、襖とか障子とかを他の物にぶつけないでちゃんと玄関から出してプロらしくさっさと作業できるか、それが一番不安でしたけどね(笑)

研修ももちろんですけど、開業後にSV(スーパーバイザー)の方が付いててくれたのはありがたかったですね。座学で網戸の貼り方を聞いたって、すぐには覚えられないんですよ。実際に一緒に作業してみて、その時に覚えていく感じ。今では、もう網戸の新枠は自信を持って作れるようになりました。

技術的な面で工夫していることはありますか?

基本は、教えてもらったのと同じやり方でやっているんですけど、その中でも自然と自分なりのやり方や工夫も身についてきた感じがありますね。

例えば、一番苦労したのは、障子や襖の四角の隅を綺麗に直角に切ることなんですけど、私はあんまり上手じゃなくて、ボソボソになっちゃうんですよ。だから、それを直角に切るためには、道具を買ってきて角に合わせてこうやって切ると上手くできるとか‥…仕上がりを良くするために、自分なりに考えてアイテムを組み合わせたりしてますね。

集客の面で工夫されていることはありますか?

まだ初めて3ヶ月目なので、お客様の所に行った時「お友達とか近所で、誰か困っている人はいませんか?」って紹介のお願いはしているんですけど、今の所はまだですね。

ポスティングもちょっと取り入れていこうと思ってます。新聞を取っている世帯ってだいたい5~6割で、まあ全員じゃないんですよね。実際に9月10日に業者さんにお願いしてポスティングを2000部入れてみたんですけど、反響率は折り込みチラシと同じくらいですね。

あとはインターネットの集客サービスから依頼をいただいたこともありますね。2件だけですけど、単価が高いお客様でした。「襖・障子・網戸の張り替え」とかって、インターネットで検索したらポンと出てくるのって、便利ですよね。金沢屋の他にも、そういう仕事をしている会社をまとめて掲載しているサイトがあるんですけど、そこに掲載する方が、ホームページを自分で作るよりも良いのかなって、今ちょっと思っているところです。

お客様や仕事内容に地域性などは感じられますか?

北海道では、網戸は横引きロールか横引きスライドのものが主流なんです。その場合は、そのものの交換になるんですよ。そこが他の地域とは違うかもしれませんね。

あと、やっぱり冬場は他の地域以上に依頼が減ってしまうので、郵便局の除雪の仕事のような他の仕事も取り入れていけないなぁと思っています。他のオーナーさんでも春夏秋で依頼を沢山受けて、冬はほとんど稼働しないと割り切っている方もいますしね。

今までに印象的だったお客様はいますか?

いろいろいらっしゃるんですけど……親切なお客様とか、「この人と話しているとホッとしたなぁ」っていうお客様が多いです。 親切で良いお客様がたくさんいるなという印象ですね。北海道っていう土地柄もあると思うんですけどね、8割以上はそういうお客様です。

なんか私、よく飲み物とかお菓子とか、よく頂くんですよね。ちょっとびっくりしたのは、網戸を張り替えたお客様から、兵庫かどこかの2000円以上するような おかきを頂いたこともありましたね。紙袋に入れて「ありがとうございました。これどうぞ!」って(笑) あと、細かいお釣りを「いらないよ」って言って、くれようとする人もいますね。

金沢屋のお仕事で感じている課題はありますか?

初めの頃は、段取りが下手だったなあとは思いますね。見積もりと提案と作業の段取り。

お客様の所に行って、見積もりして引き取ってきたら、すぐにお風呂場に持って行って、古い障子を剥がしておかなきゃいけないんですよ。網戸もそう。でも、忙しいとつい、ポンと置いておいちゃうんですよね(笑)

そうなると、いざ夜になって作業を開始しようと思ったら、作業の下準備ができていないから、いちからの作業になっちゃうんですよ。まずは古い障子を剥がして、乾燥させて……そうしてる間に、1日タイムロスになっちゃうんです。

見積もり、引き取り、納品といったお客様の所に伺うような仕事と、帰ってからの張替作業の段取りをちゃんと考えながら回していかないと、一人で多くの件数をこなすのは難しいんですよ。いまは、近くの先輩オーナーにコツを教えてもらったんで、そこは上手く回せるようになったんですけどね。

今、課題として感じているのはお客様一人一人の満足度を上げることです。ただ安いとかではなく、お客様によって求めるものは様々なのでチラシに載せるオススメ商品を再検討したり、見積もりや納品時に他に困っていることがないかを聞いたりするようには心掛けてます。あとは「人の役に立ちたいからこの仕事を選んだ」とは言え、じゃあ続けていくためには赤字じゃダメですからね(笑)お客様の満足度を上げることが単価を上げることにも繋がりますし。年間を通して季節などの影響で仕事の件数に波があるので、依頼が少ない時期にも問題なく経費が払っていけるようになるために、単価を上げていかないとなぁと考えています。

ただ、1人でやっているので忙しくなりすぎても困るんですよ。実際、1ヶ月に40件仕事があったときは、なりふり構わずどころか、生きているのがやっとっていう……。女房に頼み込めばちょっと手伝ってくれるんですけど、もともと開業するにあたって「手伝わないよ」というのは言われていて、私も「1人でも大丈夫だ」と言って始めたんですよ。で、女房に言われちゃったんですよ。「そんなに忙しくて大変なんだったら辞めれば良いでしょ」って、それで「チクショウ!」と思って(笑)

現状は、まだ人を雇うのは無謀かなと思っているので、できるところまではなんとか1人でやろうかと思ってますけど。まだ開業して3ヶ月だから見通しも立っていないのですが、来春ぐらいからはある程度見通しも立つのかなぁ。ゆくゆくは1日3~4時間くらい働いてくれるパートでも頼もうかなとは考えてます。そうすれば、私が日中見積もりなどで出かけている間に、作業をしてもらえるので仕事の数も増やせますから。

今後の目標をお聞かせください。

70歳過ぎまで金沢屋の看板を背負ってやっていこうと思っています。

そのためにも、冬場の売上確保が重要で、その時期は除雪やクロスや畳、あとは遺品整理の仕事なども検討しています。今は一人なので、大規模なリフォームは難しいですけど、それぐらいならできますから。最終的にはそういった業務の幅を広げて、人も雇って、会社にしていければなと思っています。

長時間お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

店舗詳細

金沢屋 栄町店
札幌市東区北38条東

PageTop