襖・障子・網戸の張替専門の店舗運営を行う現役金沢屋オーナーに金沢屋を選んだ理由をインタビュー

金沢屋 田川店

福岡県田川市猪国
2018年11月 開業

インタビュー時期:2019年7月

金沢屋に入る前は何をしていたんでしょうか?

今もやっていますが、建設業ですね。22~23に建設の仕事で独立して、今は30歳になりました。独立するまでは仕事を転々としていた感じです。独立してからは、人を雇って働くようになったんですけど、それからはずっとこの形です。

金沢屋に入ったきっかけはありますか?

建設の仕事は出張がメインなんですけど、それだと若い従業員が「結婚したから出張は行きたくない」と言って辞めていくケースが多かったんです。それで、この子たちを何とかできないか?と思って、地域密着で出来る仕事を探していたんですよね。

最初はハウスクリーニング系のフランチャイズを回ってみたんですけど、色々話を聞いていくと、金沢屋が一番しっくりきたので。多分、もともと戦国ものとかが好きだったので、和風の感じがしっくりくるな、と思ったのもあるんでしょうね。

私は説明会には行ってないんですけど、雑誌で金沢屋を見つけて電話したら、本部の方が1時間ぐらいかけて仕事内容を丁寧に説明してくれたんです。集客方法とか、メインのお客様は50~70代だからチラシで集客した方が良いと思っているとか、そういった小さいことを一から教えてくれて。それで「ああ、良いな」って思いました。

開業した時期と、当時の反響を教えてください。

開業したのは去年(2018年)の11月ですね。反響は、割と説明の通りでした。12月に初めてチラシを撒いて、反響が良かったんです。「初めてだからたくさん仕事が来るのかな?」と思っていたんですけど、1~2月もずっと反響は維持できていましたね。

お客様の中にはチラシを見てくる人もいますし、事務所があるここ「パレット」は、人の出入りが多い場所なので、それで知ってもらっているのも大きいと思います。たまにテレビの取材もありますし、その時金沢屋が映っていて知ってもらったり。この辺に住んでいる人は結構知ってるんですよ。それで「今度、私の家にも見に来て」って言われることが結構ありますね。

田川店はチラシ以外の宣伝効果も大きいようですが、チラシはどのくらい撒いているんですか?

月に最低でも10万部は出しています。私たちは1エリアしか持ってないので、普通のオーナーさんの3倍ぐらいになりますかね。そのエリアの中でも、田川市には3万部、また別の場所にも3万部……という感じで合計10万部っていう感じですね。

でも一度、同じ田川市に2週連続でチラシを撒いてみたことがあったんですけど、同じぐらいの反響率で(笑) だったら、次の週も……という感じでポンポンと。だから、1つのエリアでもチラシを撒けば、仕事は来ると思います。

それだけ頻繁に撒いたら反響率が落ちるかと思ったんですけど、そんなに落ちないんですよ。本部の言っている目安って3万部で30件ですよね? うちは先月、10万部ぐらい撒いて97件だったので、そのぐらいにはなっていますね。まあ、チラシじゃないお客様もいるとは思うんですけど。断られた分も合わせると、問い合わせは100件超えています。

10万部は結構な数ですよね。赤字になった月は無いんですか?

赤字はたぶん無いと思います。トントンはありましたけど……。赤字になりそうだったら、エリアの中で直接お伺いして提案したりしています。

10万部でも少なくて、本当は1週間に1回、3万部打ちたいんですよ。それも火曜日に。この辺はなぜか火曜が反響率が良いんですよね。でも、そうするとどんどん仕事が溜まっていって、結局どこかで1週間はチラシを打たない週が出てきちゃうんですよね。

もちろん反響が少ないときもありますよ、その時はショックが大きいですけど(笑) でも、全体でならすと平均的に反響がありますから、問題だとは思ってないですね。

特に、田川というこの地域は反響が良いんです。他の地域の話を聞くと、チラシを打ったその日にしか連絡が来ないので、ほぼ初日で反響数が決まっちゃうんですよね。だけど田川の場合は、初日が10件、2日目も3日目も10件ずつという感じで仕事が来るんです。だから初日が悪くても問題ないですね。そうやって平均的に仕事が来るのは良いですよ。

田川店は、毎月100件の仕事を従業員と一緒にこなしているということですよね。

そうですね、開業時は5人だったんですけど、その後一時的に2人になった時期があって、3月からまた3人、4人と増えて、現在は5人に落ち着いていますね。

電話はだいたい僕が受けていて、僕は施工と電話番。河相という従業員はお客様担当。彼はもちろん施工も出来るんですけど、主にお客様への提案を担当しているので、忙しい時には夜一緒に施工してもらっています。あとは、お客様担当がもう1人と、施工担当が男女1人ずついます。

僕らは人数も多いので、仕事を多く取らないといけないんです。だから、キリが良いというのもありますけど、だからチラシは最低10万部を意識しているんですよね。本当はもっともっと撒きたいんですけどね。人が確保出来たらもっと撒きたいです。

それでも今も結構人手が足りないんですよ。もうちょっと人数がいた方が回るのかな? と思いますね。でも、一人一人がそれなりに技術レベルがあった上での雇用じゃないと厳しいかなとは思いますけど。

そろそろ営業のうち1人には出張に行ってもらおうと思っているので、それまでに人を増やさないといけないんですよね。営業が1人減っちゃったら仕事が回らなくなるので。始めの12月は、僕が営業も施工もしていたので全然家に帰れなかったですし……(笑) 本当に大変でした。

営業担当の河相さんにもお伺いします。研修で張り方など教わっていたと思いますが、実際に現場に出てみていかがでしたか?

[河相さん] 研修は受けたんですけど、まだ値段もサイズもきちんと覚えきれていなかったので、頭が真っ白のままお客様の所に行って……SVに助けてもらいながら、現場で徐々に覚えていったという感じでしたね。最初の3日間に本部のサポートがあった分、やりやすかったですよ。

でもね、やっぱり苦労したことはありました。徹夜は何回もしましたし。元々の建設業はもう人に任せているのでそんなに忙しくならないんですけど、金沢屋で徹夜することはあって、その時は大変ですよ。布団を引いて、みんなで雑魚寝したこともありましたしね。

営業面で工夫していることはありますか?

工夫というかは分からないですけど、チラシを出すのは反響が良い火曜にするとか、地域の情報紙に広告を出してみたり、自分たちが食事をしたお店にチラシを置いてもらったりとかはしていますね。あとは、チラシを持って地域を回ってみて、網戸が壊れているお宅を見つけたら、そのまま訪問して「網戸破れています、直しましょうか?」って声をかけたりだとか。

商品を提案する時も、金額が高いものをあえて勧めることはしないですが、良い品質のものをきちんと提案するようにはしています。

[河相さん] そうですね、どの商品を選ぶかはお客様次第なので、提案自体は積極的にするようにしています。実際、どれを選ぶかはお客様によってバラバラですしね。

最初の12月はチラシに値段を載せていたんですよ。当時は、品質が高いものを依頼してくださる方が多かったんですが、その代わり件数は50件しか来なかったんです。だけど、3月ぐらいから1500円の商品からしか載せないようにしたら、反響が良くなりましたね。その分、依頼される金額の平均は若干下がりましたけど。

だけど僕は、忙しい分たくさんの方と知り合えるから、後のことを考えるとその方がいいのかなと思っているんですよね。元々、ハウスクリーニングを専門にしていたので、そっちの仕事も時々ありますし。

襖は、一度張り替えると10年ぐらい替えないことがあるんですけど、ハウスクリーニングは年に1回ぐらい頼んでくれる方がいるんです。キッチンとかお風呂とか、エアコンとか。

張り替えとハウスクリーニングを組み合わせているんですね。では、リフォームなどの仕事はどうですか?

大きなものではないんですけど、だいたい月に5件ほどありますね。僕の家は、祖父や叔父などが大工なんですよね。祖父は今67歳で、今はゆっくりしているので、仕事が取れたらお願いしています。

フローリングとかもいろいろチラシにも載せていますし、見積もりの際には「ご縁に感謝」っていうシートをお客様に渡すようにしています。このシートには、僕らが受けられる仕事の内容を載せているんですよね。そしたら「あ、こんなのも出来るんだね」っていう話になって、見積もり依頼があればするという感じですかね。

僕たちは、できることであれば何でも受けるようにしているんです。生コンクリート打ちをしたこともありますし、下水道の仕事を取ってきたり、蜂の巣の駆除を頼まれたり……。

実は、叔父も、僕の小さい頃以降は疎遠だったんですけど、新しい仕事で分からないことがあって困っていた時に辿り着いて、それから仕事を依頼するようになったので、究極に困る経験があれば、レベルが上がると思うんですよね。僕はたまたま、建設業の兼務として労働組合に入っているんですよ。その知り合いに、左官屋さんとかハウスクリーニング屋さんとかがいて、仕事を頼むこともできましたし。そのおかげで今は色んな繋がりができたので、困らずに請け負える仕事も増えましたね。

去年の12月に開業して、もう既にリピーターさんがいるんですか?

そうですね、リピーターというか追加の別の注文というか……。だいたい、納品時したときに別の話が来ることが多いです。下の襖を変えて納品したら、「上の襖と色が違うから、やっぱり上も張り替えて欲しい」とかですね。あとは、大工仕事で「これ直せる?」って聞かれることもあります。

[河相さん]襖は上下にあるのに、どうして下だけ修理するの?って、初めは不思議に思っていたんですけど、きっとお客様も心配なんですよね。初めての業者に依頼して、きちんと対応してくれるんだろうか?って。少しだけ技術がどんなもんか見てみようというのも、あるのかもしれません。それで信頼してもらえたら、次の仕事につながるというか。

あと、お客様って結構色んなことで困っているんですよ。「雨樋工事もやってくれるの?」ってチラシの小さい文言を見つけて聞いてくれることもありますし。蜂の巣駆除もそうですし。だから一度様子を見てみて、良かったら頼みたいんでしょうね。

田川店はおおむね順調だということですが、今の時点で感じている課題はありますか?

どこをどうやって回ったら効率が良いかとか、「この人はこっちに行って」ってスケジューリングしてくれる人が1人欲しいなと思っていますね。施工のスピードは多分そんなに変わらないと思うんですよ。今は僕が割り振りしているんですけど、デタラメですから(笑) だから、もう少し効率よく予定を組めるようになりたいってことです。

やっぱり、いっぺんに3万枚とかチラシを撒くと、ドーンと反響が来ますよね。お客様は当然、今日明日にでも来てほしいわけじゃないですか。でも、お客様の要望通りにスケジュールを組んでいくと、もう後から問い合わせて来た方の都合は来週になったり。そうすると、お客様の気持ちが冷めてしまったりするんですよね。

見積もり一つにしても、襖や障子の量によってかかる時間が変わりますし、襖の種類によっても、取り付けやすかったり取り付けにくかったり、全然違います。建具を削らなくちゃいけなくて納品に時間がかかるものもあります。だから、時間が読める人が一人居て欲しいんですよね。

今後の目標をお聞かせください。

金沢屋を始める前から考えていたんですけど、将来定期には中古の家を購入して、その物件を全部リノベーションして、それを売れるようになったら一番良いなとは思います。だから、網戸や襖のことが触れて、職人や大工との人脈ができる金沢屋の仕事がベストだったんですよね。

でも、まずナンバーワンになりたいですね。金沢屋の。そのためには、営業の人数を6人にして、事務員も1人必要ですし、あと施工スタッフがいまの2倍ぐらい……割と大所帯になりますね(笑) 勢いのある他店を抜かせるぐらい、頑張りたいと思います!

長時間お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

店舗詳細

金沢屋 田川店
福岡県田川市猪国

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