襖・障子・網戸の張替専門の店舗運営を行う現役金沢屋オーナーに金沢屋を選んだ理由をインタビュー

金沢屋 西濃池田店

岐阜県揖斐郡池田町藤代
2017年7月 開業

インタビュー時期:2019年5月

金沢屋のお仕事を始める前はなにをしていましたか?

建築関係です。主としては、大手ハウスメーカーの大工工事(正確には、木工事の一部)を請け負う仕事をしていました。
現在も(従来の取引先からの)建築の仕事もしながら、金沢屋として張り替えの仕事もしています。
張り替えについては、主に妻が担当しています。

従来の仕事は、大手ハウスメーカーの二次下請けという立場上、施主さんと直接お話しするような機会がありません。
そういうところに、20年以上モヤモヤした気持ちがずっとありました
やはり建物を作るんだったら、直接お客さんから依頼を受けたいという気持ちをずっと持ち続けていたんです。(何件かは、施主さんからの直接工事をお請けした事がありますが、そういう仕事は印象深くて、今でも施主さんとは交流もあります。)

「直接お客さんから依頼されるカタチ」それが金沢屋を始めた大きなきっかけでしたね。

3年前、偶然、雑誌で金沢屋がFC募集をしているのを見つけて、「あ、こういうお客さんとの関わり方も面白いかな」と、妻に話をしてみたら、割と前向きに受け止めてくれて。
たまたま妻が襖紙や唐紙や京唐紙に興味があったというのもあったんですよね。

開業されたのはいつ頃でしょうか?

2017年の7月に開業しました
現在で、ちょうど2年、3年目に入るところです。

ご夫婦で二足のわらじを履いているような仕事の進め方ですが、
具体的にどのような流れなのでしょうか。

もともとやっていた建築の仕事は、義父が建築の仕事をしていたからなんです。法人ではなく、個人事業としての仕事でしたが、お義父さんの年齢もあり、ハウスメーカーとの付き合いや、職人さんとの人脈も含めて引き継ぐことにしたんです。

ハウスメーカーの下請けの建築工事以外に、イベント設営の仕事も依頼されるんですけど、そういったテント張りなどの仕事は高齢になってもできるので、義父もまだまだ元気に現役として働いています。

(奥様)金沢屋の仕事と、建築の仕事、互いに手伝いながら進めています。建築の仕事は私が手伝う形で、襖・障子・網戸の張り替えをするのは私がメイン。張り替えの方で人手が欲しいときなどに、主人の手を借りることもあります。

そうですね、妻がこちらの現場に来ることもありますし、お義父さんの仕事に行くこともあります。金沢屋を始める前からそんな形式でしたが、それは今も続いています。
工事関係の仕事が空いているときは、私も一緒に張り替えの作業を行っています。

なにか目標などはありますか?

現状としては、元々やっている事業のシェアが大きいので、金沢屋の事業をメインにしてシェアを逆転していきたいと考えています。早い段階でシフトチェンジしていければいいなと。

私たちは夫婦で役割分担して仕事に取り組んでいますが、どうしても複数の仕事をやっているとなると少し中途半端になってしまっている部分もあります。きちんと計画を立てて、金沢屋の事業一本で進めている方もいますよね。金沢屋の事業を主軸にするためにも、リサーチやマーケティングまでしっかりやれたらいいなと思っています。

加盟する際、説明会などを聞いてどう思いましたか?

まぁ、数値的な部分なんかは話半分だなと思っていましたよ(笑) 日本全国、いろんな地域に店舗があるわけですから、すべての店舗が同じような売上利益になるということは無いですよね。

でも、やりたい場所……自分の地元で、実際に事業を始めてみなければ分からないと思って、金沢屋をスタートすることにしました。もちろん躊躇することもありましたけど、他のフランチャイズだと初期費用だけでも結構な金額になるところが多くて、それと比べると金沢屋は「なんとかなる」と思える範囲だったのもあります。それと、とりあえず始めてみなければわからない、という気持ちのバランスを取ったような感じです。

現在の、金沢屋のお仕事の状況は?

説明会などで聞いて話は「話半分で聞こう」とは思っていたのですが、実際に折込チラシを撒いたら、思っていた以上に厳しいものがありました。ここの地域性なのでしょうか、あまり反響がなくて……。特に、去年は良くなかったですね。1年目の方がまだ反響がありました。去年だと、繁忙期と呼ばれる時期にチラシを撒いたのですが、それでも厳しい状況でした。

その点は、私自身の気持ちが金沢屋の事業に集中できていないというのも、問題だと考えています。

仮に地域差があるとするならば、私たちの住んでいるこの辺りは、住んでいる人口に対して建築屋や職人の人口率が高いんですよ。もしかすると、そういう面もあるのかも知れませんね。

厳しい状況が続いているとの事ですが、それでもやっていくと決めた、お考えを教えてください。

2年前に研修を受けたときに言われたことが大きいですね。
金沢屋は襖・障子・網戸の張替えが基礎で、小さな修理仕事から本格的なリフォームのお仕事を頂けるようになることが目標だ、というようなことを伺いました。

それを聞いて「あぁ、そういう展開を望んでいるんだ。だったら逆に自分の場合はそのままズバリだからかえって都合よい」と思ったんですよね。

私たちは、もともと建築の仕事をしていたというのもあって、金沢屋に加盟したことは、ひとつの顔を持つ……という意味合いもあったんです。襖・障子・網戸の張り替えからはじめて、最終的にはリフォームも受けるという流れであれば、私たちの方向性と合っていると思っているのが大きな要因だと思います。

もともとのお仕事との親和性があるビジネス展開だと思いますが、
金沢屋の仕事を大きくしたいのはなぜでしょうか?

私の信念というか……ポリシーというほど大袈裟なものではないですが……
建築の仕事は、大企業が一般ユーザーへ提供するうえで、「ものづくり」というところとは相反する面があると思っています。

私自身は、自然素材や日本の伝統的な構法で木で作る家が好きなんですよね。
従来の取引先からの仕事だと、(大手だからというわけではないのですが)新建材や化学建材を使ったようなものが多くなってしまうんですよ。なので、本当に自分が好きだと思えるものづくりの仕事がしたい、というのも正直な気持ちとしてありますね。

今の段階では、私たちが撒いているチラシではリフォームを売りにせずに、あえて襖・障子・網戸の張り替えをメインにした内容にしています。先ずは、この地域のお客さんとの繋がりから!一度、金沢屋の事業のシェアを従来の仕事と逆転させたいんですよね。

技術的な面で、お客様に知ってもらいたいことはありますか?

元々建築工事の技術と経験があり、襖・障子・網戸については、金沢屋本部の研修を受けてから既に2年以上の経験を積みました。 張替えも、同じ値段でもより良いサービスを心掛けています。張替え以外の事に関しても遠慮なく相談ください!

金沢屋に加盟してから依頼を受けたお仕事の中で、思い出深いエピソードを教えてください。

これはすぐに出てきますよ(笑) 去年の今頃にいただいた仕事でした
その少し前に、折り込みチラシの反響で、妻が障子の張り替えをやったお客さんで、ご自宅の周りに土庇(どびさし)という、人が雨を避けられるような広い空間を作って欲しいという方がありまして。そこそこ広い空間に、柱を建てて、屋根をつけて庇を作って欲しいと。その仕事をちょうど去年の今頃にしていました。飼っている犬のためにも、この空間を作りたいと。雰囲気的には、和食店のアプローチのようなのイメージです。

これは、張り替えの仕事を丁寧にやった結果として、リピーターになってくださったことと、私自身が建築工事(ものづくり)の力を発揮することが出来たケースです。まさに私たちの理想形でした。

私は基本的に木の塗装も嫌いで、木には自然な植物の油を塗るか、柿渋を塗るかをする事が多いんです。下も出来る限りコンクリートを使いたくないので、極力使わないようにします。 見えない所には使いますが……。

表向きは自然の石を加工して、石の上に建っていたりするものがキレイだと感じるので、そういう形にしています。上も厚い杉板をオスとメスにしながら組み合わせるとか、細かいですけれど職人のこだわりと言うのでしょうか(笑)こちらのお客さんはお茶を嗜まれる方で、お茶会までの動線と言うこともあり、建具などもゼロから提案させていただきました。

その際も、こだわりの建具をしつらえられる、私が一番信頼している職人さんに作ってもらったり……そういう意味でも、印象強いケースになりましたね。

ところで、話は脱線しますが、素敵な工房ですね!

嬉しいです(笑)
この工房は、かなりの突貫工事(GWの連休期間だけ)で作ったんです。
開業の研修の後に、すぐにオープンすることが決まってしまって、取引先の仕事の合間だけで作りました。
外壁や屋根とかを作っている時間がなくて、外部はテントスタイルにしましたね。

技術面・お客様へと言う質問で繰り返しになります。
としての経験はどのように生きていますか?

大工の仕事ができればという気持ちはあります。
本当は、襖は表具師さんの仕事領域で、とても専門的な装飾の世界なんですけど、大工は一番空間の元になる部分の仕事だと考えています。

また、私は二級建築士の資格を持っていますが、最初にゼロから空間を作っていくという部分が大工だと思っているんですよね。ですから、ゼロから空間を作り、更に空間を彩る部分「襖・障子・網戸」の領域も私自身がやっているということになると、提案できる領域が広がるじゃないですか。そうすると、もっと良い空間演出のお手伝いができると思っています。

ただ、表具でも、大工でも、極めれば本当に奥深い世界なので、尊敬する職人さんはいますし、それはやっぱりとても凄くて…。彼等は、良い意味で意識し続けている存在です。

今後の目標を教えてください。

私自身の建物に関わる立場として、事業のイメージは概ね出来上がってきていて、ここから3年ほどかけて、この地域での仕事の在り方を整備していきたいと考えています。

特定(大手等の下請け)の仕事に依存せずに、地元でエンドユーザーから直接請ける金沢屋の仕事で完全逆転していきたいです! 大小関わらず、地域密着でお客さんのご自宅の細かな課題を解決できるお店になっていくのが目標ですね。

現状の課題を教えてください。

張り替え以外の、リフォーム関連の仕事の幅を広げたいと考えています。もちろん、大工さんや屋根屋さん、畳屋さんなどもこの界隈にいらっしゃるのですが、今はまだ業者さんとの仕事を拡大する段階ではないと思っていまして。私自身が対応できる案件を、もっと増やしていきたい。

今だと、プチリフォームのような小さな案件を受けることが多いのですが、それも「今は信用を積み重ねる時期で、未来に備えた種まきなんだな」と思いながら、必死にやっています。

長時間お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

店舗詳細

金沢屋 西濃池田店
岐阜県揖斐郡池田町藤代

PageTop