岡山県岡山市北区平田
2018年10月 開業
インタビュー時期:2020年1月
自動車部品の工場で勤務していました。大手自動車メーカーの下請け会社で18歳で高校卒業してから30歳で辞めるまで12年間勤めていました。
22歳で班長になって、26歳で係長になってとサラリーマンとしては比較的順調にキャリアを重ねていきました。 ただ、役職が付くにつれて、やる仕事量が増えますし現場仕事で見えなかった嫌な部分がすごく見えてきたんですよね。
少しずつ経営に近いところを見るようになって。例えば、賃金や残業などで若いスタッフが辞めていくのを見ていて、すごく嫌になってしまったんです。
そこから30歳手前の頃に、階級が上がる上がらないというときに、ここから定年まで30年もやっていくのかと考えたら将来に不安を感じたんです。 嫌な部分もありましたが、仕事は楽しかったですし、権限も与えてもらって思うように働かせてもらっていたんですけれど、改めて自分の人生を考えたときに本当にこのままでよいのかと思ったんです。
それで退職して独立しようという考えになりました。
27~8歳くらいから、うっすら考えるようになりました。
当然ながら管理職になったらある程度全部やらなきゃいけないんです。経費とか予算管理とかほとんどの業務全般をこなしていたので。
業者さんを探したりとか営業に行ったりとか試作したりとか、全体の仕事をしていたので「自分でやっても出来るんじゃないか」という自信はありました。
サラリーマンで色々全部やって辛い思いをするんだったら、独立して全部自分でやっても正直変わらないなとずっと思っていました。 だから28歳くらいからは「もし辞めるんだったら独立したい」というのはずっとあったんですよ。それが段々30歳になるにつれて「やっぱりそろそろどうかな…」というのが出てきましたね。
それで退職しました。
はい、自動車に関わる講習に行きました。 自動車関連の独立という事も当然選択肢としてあったので、独立情報関係のサイトとかを見て、自動車関連の独立、販売とかいろいろあったので自動車関係での仕事に関しても調べました。
あるカーリペアのフランチャイズ説明会に参加して話を聞いてみたときに、同時にブースを出している金沢屋を見つけたんです。 そこで、金沢屋の仕事が面白そうで魅力を感じたんですよね。
金沢屋の仕事は、お客様と1対1でお仕事します。直接顔も見られますし、感謝の気持ちとか、「ありがとう」と言ってもらえたり。
あと、自分でお話して、自分の力で売上もどんどん伸ばしていけるような感じ、前職の経験が生かせるんじゃないかというイメージが湧きました。
カーリペアの仕事も、もちろん車は好きで、手先を動かすのも器用なんですけど、言ったら下請の仕事なんですよね。 だから面白くは無いだろうなというのは正直思っていたんです。
ただ出来る事とやりたい事は別問題で「出来るかな。でも面白そうにないな」というの感じながら、じっくりと話を聞いていたんです。 金沢屋については、襖も張った事も無いですし、まじまじ見た事も無かったから、資料とか見ている限りでは悩んだりしたんですよね。
ただ、実際に行ってみたら、襖を張るというのは別として、仕事の一連の流れや細かなノウハウとか、リフォームに繋がるビジネスだと。 そういうのを聞いていたら「こっちの方が面白そうだな。自分に合っているな」というのを凄く感じたので、すぐに加盟を決断しました。
2018年6月頃だったと思います。その後、8月に加盟しました。
周りに相談はしましたね。前の会社で付き合いのあったお客様で、独立している方がいて。その人には相談していましたね。
「独立ってどうですか?」と。大阪の人なんですけど、大阪まで行って「独立しようと思うんですけど、実際どうですか?」みたいな事は相談しました。付き合いが長かったのもあって「お前だったら出来るんじゃない?」くらい簡単な感じで終わったんですけど(笑)
そういう感じで独立している知り合いの何人かに相談しました。でも、皆さん共通して前向きな意見で後押ししてくれました。
それ以外に悩んでいたのは肝心な資金繰りですね(笑)結果的には、借入れも出来たのでそんな困るようなことはなかったんですけど。
2018年10月末に開業しました。
初月で100万円、2か月目で200万円の売上が上がりました。 どちらの月も件数では30件ちょっとでした。 2か月目からは、ちょっとしたリフォームとかをたくさんいただいて200万円を超すことが出来ました。
本部のスーパーバイザーには、褒めていただきました(笑)
本部研修の他に、メンターである八本松原店の升本さんにOJTで3日間勉強させてもらいました。作業もしっかり練習して宿題も貰っていたので、時間はかかりましたけどお陰様で大きな失敗は無かったと思います。
ただ最初の頃は時間が凄くかかりました。
その後、半年位してからメンターにお会いした際には「早くなったな」と褒めてくださいましたね。それは、あれだけ練習したら早くなるよなって(笑)
そういった意味では、メンターに教えてもらったのが大きかったです。 私自身は工場上がりなので、人の仕事を見て覚えるという事が多かったので、本とか座学などで勉強して覚えるよりも実際に見て手を動かして。 やっぱり上手い人が作業しているのを見て「なんでこういう持ち方しているのかな。なんでこういう順番でやるのかな」というのを見て覚える仕事だったので、上手な人のやり方を3日間見させてもらって自分で「こうやったら良いんだな」というものが腹落ちしたので、それで凄く作業がしやすかったですね。
作業効率も良くなったことももちろんありますが、メンターの升本さんにも19時には仕事を終わらせるようにと言われていました。
「 18時に終わらせて早く飲みたいんだ」と(笑) 私が20時までやってたらもう飲めないと言われるので、19時には終わらせなきゃいけないと常々言われていて、それまでには終わらせようと考えてスケジュールを立てていましたね。
今でも升本さんにはとてもお世話になっていて、技術的にどうしてもわからない事も電話したら丁寧に教えてくれますし、メンター制度というのはやっぱり大きかったと思います。
僕より2~3ヶ月前に開業した人はメンター制度が無かったと聞いていたので、「ちょうど良いタイミングで加盟したね」と言われました。升本さんの中で私がメンター1番目だったようです(笑)
1~2月は60~70万円の売上でしたし、赤字になるようなことはありませんでした。仕事に関しては、張替だけでしたね。
当初心配していた資金繰りの面も、気にせず取り組めました。
11~12月は、4万ずつ折込チラシを出しました。 1~2月は、1万くらいを出しましたね。
仕事的には、12月に多くお仕事をいただいていたので、1月に仕事を割り振ったりしてうまくスケジュールを管理できました。 2月はたまたま大きいお仕事がトントン拍子でいただけたのはラッキーでしたね。
有難いことに今月(2020年1月)なんかは、20日過ぎまで毎日予定が入っていて忙しくて年明けから休みゼロなんです(笑) 年末駆け込みで、1月分として12~3件のご依頼をいただいて。
売上的には大きく増えているわけではありません。 ただ、今月まだチラシを1回も出していないので、利益でいったら多分今月の方が良いと思います。
月末に少し出そうかと考えています。5000部位余ったのがあったので(笑)
今月は去年と比較して売上的には同じくらいになると思うんですけど、経費もかかっていないですし、昨年末からスケジュールを分散させて決めているので、仕事も慌てることなく進められています。
2018年10月末に開業した時は売上100万位でほとんど休み無しで10時とか11時とかまで作業をしていたんですけど、ちょうど一年経った去年の11月は売上が150万位で週に1回休んで大体18時くらいには終われるようになりました(笑)
思ったより反響が悪くないというのもあります。 チラシの反響が平均して0.1%くらいですが時期によっては0.15%くらいあります。
昨年の7月だと3万部出して40件以上のお仕事をいただいたりしたこともありましたので。
金沢屋の仕事の特徴というか、多くのオーナーさんは見積・施工・納品まですべて一人でやっていることが多いと思います。仕事の件数としては多くのお客様から依頼を頂きますから、業務を滞りなく進められるようスケジュール管理を徹底しています。
前職で、生産管理とかスタッフのローテーションを組んだり、そういうスケジューリングも全部自分でやっていたので、その時から自分のスケジュールも綺麗にやろうというのは心掛けていましたね。 当時は、30人くらいの部署で11工程くらいあって、それが自分一人のスケジュールなので難なく取り組むことができました。 その結果としては、納品が遅れるなどといったお客様にご迷惑をおかけすることはありませんでした。
担当しているエリアの地域的な利点としては、移動距離が短いということもあるかもしれませんね。
お話しした通り移動距離が短いです。 エリアの半径15kmで、端から端までで20分くらいなんです。団地・集合住宅が多いので10km圏内で、片道10分位が多いですね。
日本家屋のお宅のご依頼は月に数件くらいで、あまり多くはありません。
そうですね、前の会社では製造部門の係長だったので営業経験はありませんでした。
ただ各社メーカーさんとの交渉する機会も多くあったので、喋り方やプレゼンの仕方は勉強していたので、そういう経験が生きました。
あとは、高いものを売ろうということではなく、良いものを選んでいただけるよう提案しています。 最初にお問い合わせいただいた際に「安いので良いよ」とおっしゃっていた方でも、色々と他の商品をご覧になっていただくと「あ、こんなのもあるんだ。こっちの方が良いな。」という方も多くいらっしゃいますから、自分自身もお客様も先入観無しに「試しにご覧になってください」と説明させていただきます。
あまり大きくしようとは考えていません。金沢屋を始めたのも1人で出来るというのが良かったんですよ。
仮に入れるとしても家族です。兄弟が近くにいるので手伝ってもらうくらいですかね。
収入的な部分については、1年目は出るものも多かったので思ったより利益は出ませんでした。 振り返ってみるともう少し削減出来た所もあったなと思っています。 結果的に、利益に関してはサラリーマンの時よりは良いですけれどイメージしていたほどではなかったです(笑)2年目はもっと無駄な所は省いていけば、かなり改善されると考えています。
生活面ではストレスですかね。 社長(金沢屋本部)に会った時にも言われたんです。
「何が一番金沢屋に入って良かった?」って。「ストレスが無い事」と率直に答えましたね。
本当にこんなストレス無しでお金を貰えて良いんだろうか?っていう(笑)
お客様の所にお伺いしても穏やかに話をして「ありがとよ」とお土産にコーヒーをいただいたりお菓子をいただいたりで、お仕事としてお金も頂けて。 勤めていた時はそんなことはなくて、品質管理とか安全管理とかで監督署とやりとりしたりとか、監督署に出す資料を作ったりとか、もうストレスばっかりだったので。
そういった意味でストレスがゼロになったので凄く精神的には楽になりました。サラリーマンを辞めて本当に良かったと思います。
垣根がないというところをすごく感じます。
前職だと、社長との距離感が随分ありましたが、金沢屋本部の小比田社長も毎回エリア会議などにも参加してくださって、飲み会にも気さくに参加してくださいますし。隣に座って飲んで喋っていて、とても良い社長だなと感じました。
社長だぞとふんぞり返っているような方じゃなくて、本当に加盟店を大事にしてくれているんだなと凄く思いましたね。
加盟店オーナー同士だと、皆さんお忙しいのでLINEのやり取りとかは良くしています。エリア会議で飲み会とかありますし、皆さんと仲良くやらせていただいています。いろんな地域のオーナーさん同士も凄く仲良いと思います。
年齢・性別・地域も違いますが、お客様の奪い合いをしているわけではないので、オーナー同士で切磋琢磨している関係性ではないでしょうか。
納品しに行って、納品する物を忘れたとか(笑) そんな凡ミスくらいですかね。
紹介やリピーターをもっと増やしたいと考えています。とはいえ、まだ1年なので徐々にはリピーターさんが出てきていますが。
去年依頼をしてくださったばかりの方が「もう1回網戸来て」とか。
折込チラシだけに依存せずに、そこをきちんと伸ばしていけるように取り組まなければと考えています。クーポンを付けたり、リピート券のようなものをお渡ししているオーナーさんもいらっしゃるようですし、私も何かしらはやっていかなければと思っていますね。
今は仕事で、スケジューリングはうまくやっていますが、そこまでの時間的な余裕はないので、そろそろジムに行こうかなと。サラリーマン時代は行っていたんですが、1年半くらい行かなくなったら10キロくらい太ってしまいました(笑)
社長(金沢屋本部)にも「やっぱり体が資本だから、忙しくても時間を作って体を鍛えないといけない」と言われました。「腰が痛い。足が痛い」と言っていたらお客様に笑われちゃいますしね(笑)
まず、この5年くらいはお金を貯めなきゃいけないと考えています。30代に一生懸命働いてしっかり蓄えてというのは考えていますね。
40歳になった時にまたしたい事があるかもしれないですし、まだまだ未来はやりたいことが出てくると思うんです。60歳まで30年ありますが、その時まで金沢屋をやっているかと言われたらわかりません。
もしかしたら何か他にもやってみたい事も出て来ると思います。元々は車が大好きですし、車の仕事が良いという思いは少なからずあるんです。
だから、しばらくは金沢屋で一生懸命やって30代一生懸命働いて、ある程度お金が貯まって蓄えが出来た時に次の新しい仕事をする、そういう事はうっすら考えています。
ですので、今の段階では具体的に何かということはありませんが、40代になるにつれて何か新しいチャレンジをしたいとなった時のためにお金を貯めて行こうと思っています。