襖・障子・網戸の張替専門の店舗運営を行う現役金沢屋オーナーに金沢屋を選んだ理由をインタビュー

金沢屋 新川店

北海道札幌市北区新川
2018年11月 開業

インタビュー時期:2019年9月

金沢屋に加盟される前はどんな仕事をしていたのですか?

北海道では結構有名なコンビニの営業を十何年かやっていました。普通のサラリーマンですね。北海道全土を転勤であちこち回って、店舗の7割を占める直営店の管理をしていました。人の採用、店長の育成、時にはシフトに入ったりしながら、最終的には北海道の営業部の管理職にまでなりました。まあ、営業畑ですよね。

なぜ独立されようと思ったんですか?

若い頃から独立願望がすごくあって。変な言い方かも知れませんけど、「人に雇われるのが嫌だ」っていう、おかしなプライドみたいなのもあったんですよね。ずっと憧れてはいたんですけど、知識もお金も無い状態でいきなりスタートするのは……で、20代の頃は踏ん切りがつかなかったんです。それでまずはサラリーマンになったんですけど。

あと、入社1年目に子どもが生まれたのもあります。割と早めですよね。なので、そんなわがままを言っている場合じゃなくなって、とりあえず子どもが大きくなるまではその会社にいて、安定した子育てをしようと。だからその時は、家族を養っていかなきゃいけないなと思って、独立には至らなかったんですよね。

でも、今では上の子も19歳になりましたし、私自身も40歳になったので、このタイミングで独立することを決めました。

説明会に行ってから開業するまでは、どのような流れだったのでしょうか。

最初に説明会に行ったのが去年(2018年)の5月か6月で、1カ月も経たないうちに加盟を決めました。じっくり考える人もいるみたいですけどね。一応転職も考えたんですけど、年齢のことも考えると「ここまできたら思い切って独立しかないな」と思って。

そうは思ったものの何も無い状態なので、まずはフランチャイズ加盟を考えてたんですよね。技術も持たずに、いきなりレストランを開くなんていうのは出来ないですから。

それで、いろんなサイトでフランチャイズを探していたんですけど、金沢屋を知ったのは「フランチャイズフェア」っていうイベント。全国から何十社もフランチャイズ本部が来るようなフェアが、ちょうど去年の6月にあったんです。そこに行って、金沢屋の社員に声を掛けられたのがきっかけです。

それからすぐに加盟しようと決めて、実際に開業したのは11月。本当はもっと早めにスタートしたかったんですけど、加盟金の支払いや研修のタイミングで11月になった感じです。

そのフェアには他にも多くのフランチャイズがあったかと思うのですが、なぜ金沢屋を選んだのでしょうか。

金沢屋を選んだのは、お客様との距離が近いというのが大きな理由です。元請けですから、お客様の所に直接行って、直接話すことができますよね。コンビニをやっていた時も、本部でカタカタやっているより、お客様の前に立って「いらっしゃいませ~」って言っている方が好きでしたから。

金沢屋じゃなくてもお客様との距離が近い商売はあるんでしょうけど、“困っていることを助けてあげられる”、“生活の力になれる”のが魅力かなと思ったんです。他のオーナーさんの中にも、「お金をもらっているのに“綺麗になった。ありがとう!”って感謝される仕事だよ」って語っていた人は多かったですしね。

もちろん、良いと思うフランチャイズは他にもあったんですけど、開業資金が1000万円単位で必要なものはさすがに手が出せず……。コンビニに関しては知識も経験もありますから、他のコンビニチェーンに加盟する手もあったんですけど、「退職してから2年間は同業他社に行かない」という約束もありましたしね。そもそも、コンビニ業界は多分ちょっと曲がり角に来ているなと思ってもいたので、自分でやるのは考えものだなと。

コンビニって、複数店舗を持っていたらそれなりに売上もありますけど、1店舗単独で儲けようとなると相当大きな売上が必要なんですよ。それに、夜中は人件費が高いからオーナーさんがなるべく働きましょうね、と勧めているチェーンも多いんです。24時間365日営業というのがコンビニのメリットですからね。でも、今からそんな生活に飛び込むと、家族がバラバラになってしまいますしね。

11月に開業されたということですが、開業直後はどうでしたか?

う~ん、良くはないですね。もう少し早くやりたかったです。北海道の冬が厳しいのは分かっているので。本当であれば、夏ごろにはオープンしている予定でしたけど、色々あってこの時期になりました。もう少し時期を待つという手もありましたけど、早くに前の会社を辞めたので、すぐに新しい仕事を始めたかったんです。

初月はチラシを3万枚出して、そこから15件程の依頼がありました。反響率は良いとは言えませんけどね。

その後、冬の間にあたる1~3月はチラシを撒かずに、3月の終わりからまた集客を始めることにしました。そしたら、春から夏にかけて、びっくりするぐらい反響がありまして(笑)  1万枚チラシを撒いて20件ぐらい電話が来るとか……もう「こんなに来るんだ!」って。ゴールデンウイーク明けからお盆くらいまで、2~3カ月はほぼ休み無しで、てんやわんやでした(笑)

夏に仕事が集中するのは、北海道だからなのかもしれませんね。本州だと10~12月くらいに年末のピークがありますよね? でも、北海道のピークって多分5~7月くらいなんです。何をするにも「暖かいうち」ってことです。きっとお客様も、冬は寒くなるので襖を持って行かれたら困る、ということなんでしょう。北海道は早ければ11月から雪がちらつきますから、その時期からは反響が少なくなる傾向にありますね。

チラシを出さなかった12~1月は何をしていたんですか?

12月には1万部チラシを撒いたので、10数件の依頼を頂きました。前に配ったチラシから何件か電話ももらいましたし、あとは、「2月に手すりを付けたい」という話を前もってしていたお客様を対応したり。

例えば、「寒いので襖を持って行かれたら困る」というお客様には、「その場でやりますよ」という提案をするとか。最初の頃は、慣れてないのでその場でやるのはちょっと……と思っていましたけど(笑) たどたどしい手つきを見せられたら、お客様だって不安になるじゃないですか。だから、そこは自信を持ってから、と思っていたんですよね。今はさすがにこれだけの枚数やったら失敗する事も少なくなったので(笑) クロス程度のリフォームだったら、もうその場でやりますし。網戸も、全然動かない場合はその場で作業したりしますしね。

手すりを取り付けるお仕事をされたということですが、最初の年からリフォームをする体制が整っていたということでしょうか。

整ってはいないですね。はじめに手すりの話を聞いてから施工まで時間があったので、必死に業者さんを探しましたよ。

意外と業者さん探しって課題ですからね。研修のころから「畳屋は絶対見つけなさい」と言われていたので、いろいろ探したんですけれども、電話帳で見て調べた所はみんな潰れているんですよ(笑) 看板が出ていても「2年前に廃業しました」とか。あんまり大手だと仕事を請けてくれないし、逆に職人さん1人でやっている方だと「これ以上仕事が増えたら対応できないから」と断られてしまって(笑) その時は、他のオーナーさんから畳屋さんを紹介してもらって、今でもその方に頼んでいます。

手すりの件は、もともとコンビニ時代に知り合いだった建築会社さんから、大工さんを紹介してもらいました。そうやってちょっとずつ知り合いを広げていったという感じですかね。やっぱり、地元で15年勤めていた頃の人脈が少なからずありますから。

今までで印象的なお客様はいましたか?

一番最初のお客様ですね。開業当初の3日間はSV(スーパーバイザー)がついて来てくれるんですが、行ってみたら「1500円の安い依頼なのになんで二人でくるんだ!」って怒ってらっしゃったんです。もしかしたら、「何か高い物を勧められるんじゃないか?」みたいに構えちゃったんじゃないかなと思いますね(笑) まぁわからないですけど。理由は言ってくれなかったので。

納品の際は、あえて私1人で持って行って「実は初めてのお客様だったんです」とお話したら、逆に喜んでくれて、最後は温和になってらっしゃいました(笑) まだリピートで電話をくれたわけじゃないんですけど、「また電話するからね~」って言ってくれて嬉しかったです。せっかく最初のお客様なんで、いい気分で仕事したかったですしね。

あと、嬉しかった話もして良いですか? 私は、見積もりの際に「プロフィールシート」っていうのをお渡ししているんですけど、そこに出身地を載せていて、そしたらお客様が同じ地元出身の方だったので話が盛り上がったんですよね。そしたら納品時に、「綺麗になった。ありがとう!」と。「じゃあまたお願いしますね」って外に出て手を振ってくれたんです。そういうお客様はたまにいらっしゃるんですが、100m、200mくらい行って曲がり角ですね。そこでふっと見たらまだ手を振ってくれているんですよ。「え~!」と思って。いやもう感動してしまって。それはお礼のお手紙にその事を書いて送ったんですけども。

集客面で、意識していることはありますか?

そうですね、さっき言ったようなお手紙は必ず出すようにしています。まあ、たまに名前を教えてくれない方がいるんですけど、そういう方以外には必ず送っていますね。

あと、今は忙しいのでやっていないですが、最初の頃はポスティングもしていました。毎週のように100~200部を住宅地にダーッと撒いて。お客様のところに伺った後、ちょっと時間が空いていたら、その周辺に撒いてきたり。

一度、電話がかかってきたことがあるマンションの周辺に40部ぐらい入れてみたら、2件も電話がかかってきて、それはかなり確率が良かったなあと思いましたね。ちなみに、折込チラシと同じものをポスティングにも使ってました。

まだ出来ていないですけど、DMを作って送るとか、既存客へのアプローチも考えています。今のところは、年賀状を出すぐらいしかできそうにないんですけど。「今こういうリフォームやっていますよ!」とかいうお知らせを、“ナントカ通信”みたいにして定期的に送るとか、そういう忘れられないような工夫をしていきたいなと思っています。

最近は、googleマイビジネスのやり方を聞いたので、すぐに登録して写真を入れました。出来上がった襖の写真を載せたのかな? たくさん写真を入れた方が、お店が稼働している感じがして、きっとお客様も安心ですよね。

あとは全体の課題なんでしょうけど、インターネットが当たり前の時代になっているじゃないですか。新聞の購読率も下がっていますし、今の40代は当然スマホを使いますよね。10年後には、こういうチラシだけの集客じゃ難しいときが来ると思っているんです。その時を見据えて、ホームページを作ったりブログを書いたり、SNSとかそういう方向をもっと充実させていかなきゃいけない。同じやり方は通じないと思っているので。

金沢屋としての、今後の目標を教えてください。

ちゃんと自分のエリアで店舗を構えたい、というのが数年以内の目標ですね。その後は、体力と相談しながら細々と、自分たちが暮らしていけるくらい稼げれば良いかなというのが1つ。やっぱりそこは最低限かな。

あとは、この仕事を20年、30年と続けて、会社みたいな感じにして、人を雇っていけたらいいな。それは、夢というか理想というか。本当にこの仕事でずっと食べていきたいと思っているんですよ。今更コンビニは考えてませんし(笑)

他のオーナーさんの中には、すごく稼いでいる人もたくさんいますけど、僕は高望みしても……と思っているので、地に足をつけてコツコツ、本当に長い目でみてやっていきたいなって。あんまり焦ると失敗するんですよ、会社員時代もそれでよく失敗してきたので(笑)

最後に金沢屋に向いている人ってどんな人だと思いますか?

向いているというか、お客様の事を親身になって考えられる方、心配りができる方が一番なのかな。あとはちゃんと体力があって(笑) はじめは技術がそこそこでも、そこは努力次第でついてくるので。

お客様の対応というのは、慣れというのもありますけど、たぶん自分の心の奥底が出てくるものだと思うんですよ。態度とか行動とか。何かあればすぐにお客様に見透かされるので。

最初の訪問って、お客様だって当然どんな人が来るのか分からないから、多少疑ってかかるじゃないですか。その時に、「どんな第一印象を与えられるか?」をちゃんと意識して行動できる人、もしくは、そういう相手の気持ちを考えられる人が向いているのかなとは思いますね。

長時間お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

店舗詳細

金沢屋 新川店
北海道札幌市北区新川

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