襖・障子・網戸の張替専門の店舗運営を行う現役金沢屋オーナーに金沢屋を選んだ理由をインタビュー

金沢屋 練馬インター店

東京都練馬区土支田
2017年10月 開業

インタビュー時期:2019年5月

前職と、独立したきっかけを教えてください。

はじめは大手カツラメーカー、その後はパートで10年間カフェもやっているケーキ屋さんに勤めていました。

カツラメーカーに就職したのは、元々持っていた理容師の資格が活かせるかな? と思ってのことです。カツラを販売するのって、パーマとかカットとか髪の毛のメンテナンスも一緒にするので資格がないとダメなんですよね。でも入社してみたら、実際には技術の仕事じゃなくて営業が主で、結局売上、売上って言われてしまって……それが何だか腑に落ちなくて辞めたんです。

それで、次に働くところはちょっと軽い気持ちで「ケーキでも売る可愛い仕事に就いてみたいな」ってカフェでパートをすることにしたんです。そこも、長く続けるつもりはなくて、空いている時間がもったいないからその時間でお金を稼げれば良いなって。ただ、月日が経つのは早くてあっという間に5年経っていて、いつの間にか責任を持たされる立場になっていたんですよ。調理から販売、若い子の教育みたいなものまで。

そのうち5年目ぐらいから「こういう小さいお店でも持てたら良いな」という気持ちを持ち始めてきたんですけど、お金もそんなに無いし、なんにも無い状態で始めるのは敷居が高いというか……。そんな時、何気なく喫茶店に入ったら「フランチャイズ加盟店募集」というのが書いてあって「あ、フランチャイズという手があるんだ」と思って。

他にもフランチャイズは検討しましたか?

フランチャイズというやり方に気づいてからは、フランチャイズショーなどに2年ぐらい足を運んで、資料をもらったり、情報収集していたんですよね。

最初は飲食を考えていたんですけど、初期投資が1000万円ぐらいかかりますし、人を雇わないと回らないじゃないですか。前の職場でバイトを教育していて、責任の重さはよくわかっていたので、人を使うのは嫌だなと思ってたんです。例えばですけど、バイトの店員が問題を起こしてネットで炎上したり……みんながみんな、そうじゃないんですけど、そういう危険もありますよね。だから、独立するなら自分自身か、家族だけで出来る仕事が良いと思っていたんです。

コンビニなんかも見ましたけど、あんまりやりたいと思わなかったですし。でも、経験を活かすとなると美容系か飲食しか考えられなかったんですよね。金沢屋については、資料はもらっていたんですけど、2年ぐらい「やっぱり駄目だ。できるわけないよ」って考えている時間があったんですよね。

金沢屋に決めた理由はなんですか?

そうやって迷っているとき、ちょうど若い時に痛めた足がすごく痛くなってきちゃって、先生にも「もう今の仕事は続けない方が良い」って言われたんです。それで、やっぱり転職を考えなきゃなあと思っていた時に、おみくじで「今年は仕事で何か凄く大きな変化がある」って出たんですよね。そんな時に、フランチャイズショーの招待状が届いて「あ、コレだ!」って思っちゃって(笑) 単純なんですけれど(笑)

ショーに行くまでは金沢屋を意識している訳じゃなかったんですけど、一応説明会にも行ってみたら、なんとなく「女の人でもできるのかな……?」なんて、その気になってきちゃって。あと、主人は年が離れていてもう少しで定年なんです。主人はちょっとした大工作業とかをやるのも好きで、2年くらいだけ大工の丁稚奉公をやったこともあるんですよね。たった2年ですけど、「これなら出来そうかな」なんて思ったんですね。

おみくじに導かれたんですね(笑) 説明会で決心したのですか?

いや、本当にやるかはその時はまだ決まっていませんでした。とりあえず怖いから話はちゃんと聞いてみようという思いです。やる意思はまだ固まって無かったかも。怖いからじっくりいこうと。

決心したのは、正直金沢屋がどうこうというのではなくて(笑) さっきも言ったように、主人とは歳が離れていてもう65歳なんですよね。60歳の頃に会社の都合で、退職の危機を感じた時に転職先を探したんですけど、年齢的になかなか難しくて……。今もそうなんですけど、家のローンも残っていますし、まだまだ自分のお金で生活しなきゃいけない年齢で。

主人は職人だったので国民年金のお金だけじゃ全然生活出来ないし、私のパートなんか十数万しかもらえないし。「そんなんじゃ生活できないじゃん、どうしよう……」っていう焦りの方が強かったかもしれないです。「自分達で老後も食べていける仕事を作らなきゃ」って、年をとっても続けていける仕事を探したい気持ちが強かったんですよね。

開業されたのはいつですか? 開業当初はいかがでしたか?

2017年3月くらいに説明会に行って、その年の10月に開業しました。本部からは3万部のチラシを撒いてください、と言われていたのですが、私は4万部撒いたのかな……。そのおかげか、開業時から11月くらいまでは最初に撒いたチラシの反響がずっと続いていました。

でも、仕事に不慣れでなかなか作業のスピードが上がらなくて、男の人から見たら、すごくゆっくりなペースだったと思います。だから、最初の月は全然売上が上がらなくて……。研修で教わったのは張り替えですけど、仕事はそれだけじゃないですから。電話応対も、引き取りも、見積もりもありますよね。現物も、見たことも触ったこともない襖や障子の方が多かったですし。

ただ、それでもチラシは撒き続けていましたね。先輩オーナーや本部からも「絶対にそれは怠っちゃいけない」言われていたので。数は少ないですけど月に最低1万枚は一応絶対に撒いていました。借りたお金も全部なくなってしまって、チラシを撒けなくなった時もどうにか工面して1万枚だけ撒いたりとか……。

それでも辞めずに1年半続けてこられた理由は何でしょうか?

主人や家族、子供達も「いざという時はこの家を売っても良いから」って言ってくれていたのは大きかったです。3カ月ぐらいは娘も手伝ってくれていましたしね。でも十分にお給料を渡せるわけではなかったので、就職したんですけど。

あとは割と楽天的なので「どうにかなるさ」という気持ちでなんとか一日一日を持ちこたえていって……という感じでしょうか(笑)

主人に手伝ってもらおうと思ったら、長期出張が入ってしまったんで「じゃあそれまでは1人でなんとか持ちこたえよう!」とか。出張が更に延びたんで、それまで頑張ろうとか。そうしてるうちに、私一人で借金も増やさずに1年やって来れたんで、「もしかしたら主人が手伝ってくれたら、もっと利益が出るかも?」と思うようになったり。

世の中の男性たちはすごいですよね。開業するにあたって、お金や仕事の心配がすごく大きくて「こんなことをみんな普通にやっているんだな」と思ったら、本当に自分って小さいなと思いました。本当は辞めたかったんですよ(笑) 1年間ずっと、「あとちょっとだけやってみよう」みたいな感じでしたね。

1年目を乗り越えて、2年目はいかがでしたか?

11月に畳のリフォームが入ったりして、初めて売上が120万円に届いたんです。あと、去年に比べたらだいぶ売上が上がるようになりました。

SVからも、1~2月は仕事が少なくなると聞いていたので、12月に問い合わせがあったけど回せなかったお客様で急いでない方は1月にしてもらって調整しました。それで、そんなに多くは無いけれど、まぁ経費は払えるくらいの売り上げが立って。他の店舗と比べるとまだまだですけど、3月も去年の3倍の売上だったので、自分なりには良いのかなって。

私は周りの人に恵まれているなと思うんですけど、病気を持っている友達が「病気が原因で仕事に就けないから、体調が良い時は手伝うよ」って言ってくれて、障子を洗うのを手伝ってくれたりとか。

この仕事って、一人で黙々と作業するので不安な気持ちが出てくることがあるんですよね。だけど、友達と話しながら作業するとなんか気も紛れてきて。「何とかなるんじゃない?」「そうかな~」とかって楽しく進められて。それで、利益云々よりも、女2人で120万円の売上になったことが結構嬉しかったです。彼女は3時間ぐらいで帰っちゃいますしね。

周りの人たちに支えられながら、順調に進んでいっていると思いますよ。

2年目になって、リピーターになってくれたお客様はいらっしゃいますか?

はい、「去年障子を張ってもらったんだけど今度は襖でお願い」という依頼など頂いています。

あと、リフォームの話も、後からいただくのではなくて、襖を納品した時に「実は……」という風に話される事が多いんですよね。プロフィール表のようなものを配っていたんですけど、これを渡すと「あれも出来るのね」「これも出来るのね」と結構声をかけてもらえるんです。

だけど、私はまだリフォームの知識が足りないと自分で思っているので、結局、同期に紹介してもらった工務店のようなところに全部任せてしまっているんですよね。それはあんまり納得できてないんですよね。結局全部任せてしまっているのが……。

なので、去年まではリフォームのことが書いてあるプロフィール表も渡していたんですけど、今年からは辞めました。もちろん、ご依頼があれば応えなければいけないですけど、自分からあえてリフォームを売り込むのをやめようと思って。今年からは、プロフィールの部分しか渡してないですね。

余裕があったり、どうしてもという要望があればやるんでしょうけど、「リフォームをやらなきゃいけない」っていうのがすごく負担になっちゃったので。今は、言われたらできるように、という風に気持ちを切り替えました。

他のオーナーさんとも、連絡を取っているんですね。

そう! 先輩オーナーさんたちが、勉強会を開いてくれるんです。今すごく成功しているトップオーナーさんの話って、やっぱり学びになることが多いじゃないですか。ただ漠然と「120万円を目指しましょう」って言われるよりも、「張りが80万円、業者さんからの依頼で20万円、リフォームが20万円と分けて考えると、高い目標じゃありませんよ」とかって教えてもらえると「もしかしたら頑張ればできるかも」と思えますよね。大好きな先輩オーナーさんがいるんですけど、その方のプレゼンがすごく上手いので、「私なんか無理!」って思うようなことでも、話を聞くと「出来るかも…?」っていう気持ちになっているんですよね(笑)

あとはLINEグループの「チーム金沢屋」でも、先輩オーナーの「そんなに無理しなくても、ちゃんと真面目にやっていれば2~3年でちゃんとお客様が付いてきてくれますよ」という言葉にもすごく支えられました。私なんか、あれもこれもって無理をしちゃうとパンクしちゃいそうになるんで、その言葉で「私は亀でも良いから地道に行こう」って思えましたし。

実際の現場で、苦労していることなどはありますか?

どうしても男性に比べると力がないので、丈が220cmくらいある重たい戸襖とかだと、持ち上げるときにプルプルしちゃうこともありますね(笑) そういう時は、ありがたいことにそのお宅のご主人が手伝ってくれたりとか。

あと、今は主人が出張から帰ってきているので、主人が休みの日曜日に手伝ってくれますし、同期の方で時間が空いていれば手伝ってくれますね。彼は、仕事内容も全部分かっているので阿吽の呼吸で仕事をしてくれますから、安心して任せられるんですよ。

でも、普通の襖は全然問題なく自分で運べますよ。多い時は10~20枚とかありますし。

印象に残っている依頼はありますか?

4月に初めてクロス張り替えのプチリフォームをいただいたお客様ですね。最初は網戸2枚の依頼だったんですけど、納品の時に「こういうのも出来るの?」とご相談いただいて。大きなリフォームではないんですけど、私にしてみたら初めてのことで。網戸1枚からこうやって話がつながるので、1枚の依頼でもありがたく伺わないといけないですよね。

あともう一つは悪いパターンで……建築関係の仕事をされている方だったのかな? 多分、私の様子を見るために頼んだんでしょうね。その時、「本当にこの値段で出来るの?」「こんなんじゃやっていけないでしょ」だとか、「あぁ、女の内職ね」みたいな事は言われました。でもその時は、「あ、そういう風に取る人もいるんだな」と思って、そんなに落ち込まなかったですね。そんな風に言われないように、知識も技術も高めたいとは思いました。

今の段階で感じている課題はありますか?

お仕事全て……というのは難しいかもしれないけど、お客様からの相談や質問にはなるべく全部、リフォームも含めて自分で答えてあげられるようになる事です。それと、やっぱり技術に自信を持つ事。さすがにもう2年やってきているので、いい加減自信持たないと……って感じなんですけどね。

張り替え技術に関しては特に課題に思っているわけではないんですけど、私は言葉が上手く出てこないんですよね。お客様に質問されてもありきたりな答えしか言えないし、そうするとお客様も「大丈夫かな、この人」って不安に思っちゃうだろうし、もっと信頼してもらえる説明の仕方が出来たらなぁと思うんですけど(笑)

たぶん、営業だと思っちゃうからダメで「商品説明」なんですよね。それをいつも肝に銘じて、気を付けようと思って行くんだけども、お客様の目の前に行くと、飛んじゃうんですよね(笑)

では今後の目標をお聞かせください。

細く長く続けることですね(笑) 元々老後の生活のために始めた事なので、働ける間は続けたいと思っています。

10年後に余裕を持った生活をしていたいなという思いはあるんですけど、将来どうなっているかは分からないですよね。だから、とりあえず10年頑張りたい。できればその後も、無理なく続けられていたら良いなと思いますね。

そして上手くいっているのであれば、義理の弟とかが継いでくれたら良いかもな……なんて本気で考えてはいないんですが、そんなことを考えたりする時もありますね。

最後に金沢屋に加盟してみていかがですか?

最初は辞めたい気持ちが強かったので、先輩オーナーが金沢屋に感謝している気持ちが分からないって思っていたんですよね。だけど、今年になってからなんとなくやっていけそうになったので、いろんな意味も含めて「やって良かった」と思えるようになりました。

まだ結果は出してないですけど、パート時代には感じたことのないプレッシャーとか不安を感じられたのが大きな経験でしたね。パートから個人事業主になったわけですから。自分の中でも、ものすごいチャレンジでしたし、親戚みんなからも「度胸がある」って言われるし。今でも多分、みんなは続くと思っていないんでしょうけど(笑)

なんだかんだで、2年経って契約更新の時期になって、「もう2年だね」「早いね」って主人と話しましたね。そうやって今度の2年もあっという間に過ぎるのかな……ていうかあっという間に過ぎれば良いな……。

これからも色んなことを経験していく中で、どんどん「金沢屋に加盟して良かった」という気持ちが大きくなっていくんだろうな、と思っています。

長時間お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

店舗詳細

金沢屋 練馬インター店
東京都練馬区土支田

PageTop