襖・障子・網戸の張替専門の店舗運営を行う現役金沢屋オーナーに金沢屋を選んだ理由をインタビュー

金沢屋 仙台中山・八幡店

宮城県仙台市青葉区
2015年5月 開業

インタビュー時期:2019年3月

金沢屋を始める前は、どのようなお仕事をされていたのですか?

お花とか観葉植物を扱う会社にいて、フラワーデザインや舞台装飾、観葉植物のコーディネートなどをやっていました。最終的には営業部長でした。

もともとは、起業しようという気持ちはそんなに強くなかった?

そこまで無かったです。やるとしたら国家資格を使って、お花屋さんを開く事もできたのですが、お花や舞台装飾は飾っても数日間~1週間で撤去されてしまう。せっかく作ったものが無くなるというのが、仕事をしている頃からなんかすごくモヤモヤしていて……

「せっかくやるなら、ずっと残るものをやりたい」と、いろいろ探している時に「アントレ」で金沢屋さんを知りました。「これは面白そうだな」という事で、すぐ資料を請求しましたね。

その時に、比較対象になったフランチャイズはありましたか?

クロスコーティングとか、車のリペアさんとか、お掃除系とかもちょっと見ました。でもあまりピンと来なかったので、資料請求はしませんでした。心の中にずっと残っていたのが金沢屋さんだったんです。

本部に連絡したら、「ちょうどその1週間後くらいに仙台で説明会がありますよ。」と言われたので行ってみました。その時。自分1人だけ説明を受けて「これは面白い!やりたいぞ」って舞い上がっても、絶対家内に止められると思ったので、一緒に連れて行きました(笑)

一緒に説明を聞いたら家内も納得したようで「これだったらやってみても良いかもね」という話になって。そこからも少し悩んだんですけど、やっぱりどうしてもやりたいと思い決断しました。

悩んだ理由はなんだったのですか?

もちろん独立は初めての事ですし、本当にふすま・障子・網戸の仕事で食べていけるのか?という不安でしょうか。年齢も50歳を超えていたので絶対失敗は出来ないというプレッシャーもありました。

悩んでいるときに、ちょうど金沢屋をやっていた先輩オーナーさんと電話で1時間程話す機会があったのですが、その方は「金沢屋でちゃんと生活出来ますよ。あなたはきちんとされている印象だから、大丈夫やっていけますよ」みたいな事を言って下さいました。その方の話を聞いて、金沢屋をやることに決めました。今でもその方が私の師匠であり大恩人です。

開業されたのはいつ頃でしょうか?

2015年の5月開業ですので、いま3年と10ヶ月です。

取材しているオーナーさんからは、すごく環境が良いと伺いますが当時はいかがでしたか。

当時と今ではサポート体制は多少の違いはありますが、当時のSV(スーパーバイザー)さんには本当にお世話になりました。わからない事はぜんぶ教えてもらいましたし。あとは先程言った先輩オーナーさんにもいろいろ教えてもらえたので、やってこられた気がします。

あとは本人の気持ち次第、それが一番大事だと思います。「金沢屋を始めれば、本部の言うとおりにやっていれば絶対成功する」という半端な気持ちだとまずいと思うんです。あくまでも自分自身が事業として立ち上げるわけですから、全ての責任は当然自分自身にある、という覚悟は絶対必要です。失敗しても誰のせいでもありません、自分自身の力不足です。私はそういう覚悟をもって、肝に銘じて始めました。

今は研修が9日間ですし、開業前にメンター制度もあって実際のオーナーさんの所で3日間研修も出来ますし、すごく恵まれていると思います。

中にはうまくいかないオーナーさんもいらっしゃると思います。
いまでも続けられている今野さんの違いは、なんだと思いますか?

何だったんでしょうか……自分でいうのもなんですが、「この1本、これで生きていくんだ!これで食べていくんだ!」という気持ちが強かったと言うのはあるかもしれません。覚悟というか。

自分で独立する以上絶対失敗はできないし、万が一失敗しても他人の責任ではありません。私は失敗する可能性のあるものは全部排除してきましたし、最初から成功している姿を思い描きながら始めました。ですから正直に言いまして、結構スタートダッシュが良くて、どんどん順調に仕事を進めることが出来ました。

なぜ、創業時からそんなに上手くいっているのでしょうか。

開業してから1月までは依頼も多く良かったのですけど、2~3月は苦しかったですよ。「こんなにも仕事が無くなるんだ」って思いました。ものすごく不安にもなりました。でも春になったら動き出したので、「やっぱり春になると動くんだ」というのがわかってホッとしました。

でも先輩たちから「そんな焦んなくて良いよ。2月は自分の好きな事をやっていたら良い」って聞いていましたから、多少は予測していました。私はスキーが好きなので、ちょうど良い時期なのでスキーに行ったり、リフレッシュして過ごしました。この時期にお礼状を出したり、人間ドックとか病院関係に行ったり(笑) そこは切り替えられたので、大丈夫でしたね。

開業した5月から1月までの間に、ある程度の蓄えは十分にできていたので、2~3月の仕事が無くてもやっていけるのはわかっていました。それでも2~3月も赤字にはならなかったんですよね。その頃はまだ自宅を事務所にしていたので、なおさら経費がかからなくて。

伸びている理由の一つであるリフォームは、いつごろから始められたのですか?

5月に開業して12月くらいまではほとんどやっていませんでしたね。ただ、開業して2ヶ月目にすぐクロス工事のご依頼を頂いたんです。ビックリでした。あと畳も三か月目位からどんどん取れるようになって。それからですね。

開業して最初の1月、家1戸の内装工事を請け負うこともできました。お願いできる業者さんも全然知らなかったのですが「こういう仕事が決まっているのでやってもらえませんか?」と、業者さんを探して。それが初めての大掛かりなリフォームでした。

初めてのことだったので正直自信よりも不安が勝っていましたが、以前にふすまと障子を張ったお客様が、ご自分のお兄様を紹介してくださって。嬉しかったですね。
ですから、尚のこと責任を持って取り組ませて頂こうと考えました。
こちらが失礼の無いようにお兄様宅にお伺いすると、お客様の方もちゃんと応えてくださって。それであっという間に決まっちゃったんですよ。それが本当に最初の大きなリフォームです
ちょうどその頃、本部の担当SVさんからのアドバイスで、プロフィールシートといいますか、お客様向けの案内シートを作ったらどうだ?と言われまして……

お客様のお宅に伺った際に、渡す紙でしょうか

そうです。最初は広告のチラシしかなかったんですね。でもそのシートを作って、お見積もりの時に「今からふすまのお見積もりを書きますので、少し時間がかかりますのでその間もし宜しければ見ていただけるとありがたいです」と言ってお渡しするようにしました。

そうするとふすまの見積もりが終わった頃に、「ちょっと見て欲しいんだけど」とお客様の方から言ってきて下さって。「ウチの雨どい見てくれないか?」とか、「床が沈むんだけど」「庭木の剪定もできるの?」って。お客様って、いろんな悩みというか、そういうジレンマ的なものをすごく抱えているんだなというのがわかりました。

このシートをお客様へお渡しするようになってから一気にリフォームが増えました。ちなみにこのシートの内容は、はじめて作った当時からほとんど変わっていません。

他店舗のオーナーさんのところでも、このシートを見たことがあります。

そうですね、他のオーナー様よりデータを下さいってよく言われるので差し上げています。そのまま使っている方もいますよ。ほとんど似てます。これ、全国に出回っているようですね(笑)写真まで同じ方がいましたよ(笑)

創業した2015年の段階でリフォームも視野に入れていたのでしょうか

そうですね、実際はその前からだと思います。私が悩んでいた時に教えてくれた先輩もやっていましたし、担当SVさんも以前は金沢屋のオーナーさんで、リフォームの話は聞いていましたから。ふすま・障子・網戸だけじゃなくて必ずリフォームもやっていこうと最初から思っていました。

金沢屋の最大の強みは、「お客様のご自宅に上がれる。」という事です。普通のリフォーム業者は訪問しても門前払いが当然です。でも、ふすま・障子・網戸があることで、お客様の方から「はいどうぞ。上がって上がって」と言っていただける。そして、案内シートをお渡しすることによって「いろんな事やっているのね?じゃあウチもちょっと気になっている所があるんだけど見てくれない?」と自然とお客様から相談をしてくださるんです。

最初からリフォーム関連のことを聞かれる時もありますし、ふすまや障子、網戸の納品が終わってから「いろいろやってるのね」って。「きちんと仕事をしてくれたから、これも見て欲しいんだけど」という事も非常に多いです。

網戸納品の時は外壁にさわれるので、外壁や屋根、破風や雨どい、軒天(のきてん)の状態とか全て見れますから。その時に、外壁の状態があまり良くなかったりした際にはお知らせだけはしておくと、やはりお客様もお困りだったりする事が多いんです。でも、どこに頼んで良いかわからなくて困っているお客様が「お宅もやっているのよね?ちょっと見積もりだけでも出してもらえない?」と言って下さるんです。そうすると、ふすま・障子・網戸以外のお仕事として屋根・外壁の塗装工事のご依頼をいただけたりします。基本はふすま・障子・網戸の仕事をきちんとやってお客郷との信頼関係を作る事。それがとても大切なんです。そこからリフォームに繋がっていきます。

ちなみにリフォームで依頼が多いのは、どういうものですか?

クロスの張替工事が多いですね。またふすま・障子・網戸と同じぐらい畳の需要もあります。あとは大工仕事。床工事とか雨どい工事が多いかな。あと屋根外壁塗装とかフェンス工事とか。内窓設置とか。

今年は雪が少なかったですけど、どっと雪が降ったりすると雨どいが傷んでしまう。火災保険には風害・雪害って入っている場合も多いので、保険で直したいというお客様も結構いらっしゃいます。
雨どいを直すのに足場を組むのだったら、実際問題として、外壁や屋根も一緒にやった方が効率も良いですし、コストも安くなります。そのようにご案内するとお客様にもメリットがありますから、ご依頼いただくことが多いです。

とはいえ基本は、ふすま・障子・網戸ですよね?
売上はリフォームの方が多いのかも知れませんが、お仕事の量としてはどちらが多いのでしょうか。

まさしくそうです、あくまでもふすま・障子・網戸がメイン。安定しているのは間違いなくふすま・障子・網戸の方です。 ただ、売上の比率はだいぶリフォームが大きくなってきました。3年目からは、リフォームの方が、ふすま・障子・網戸よりも増えましたね。最初の年はもちろん、ふすま・障子・網戸の方が多かったのですが、どんどん逆転していって。かといってふすま・障子・網戸をさぼっているわけじゃないですよ(笑) それも右肩上がりで増えていますので。

商圏は決まっているんですよね?

私も最初の1年目は1つのエリアだけでしたが、今は2エリア持っています。2年目に入るときに隣のエリアが開いたので即申し込みました。 更に今では隣のエリアで甥も金沢屋を去年開業しました。隣のエリアだったら連携も取れるし、業者さんも当店と取引しているところを共有できますので。

それは恵まれていますね。お話を聞いていて疑問なのが、地域が限定されていることで、反響が落ちてくるのではないかと……

そうですね、少しずつは反響が落ちてくるのかもしれません。でも、4年もやっていると、反響が少なくてもあまり心配にならないというか。4年間でご依頼を頂いたお客様がそれだけたくさんいますし、年間を通すと5~600人のお客様から依頼が来るんです。それがどんどん蓄積されて、その方達がリピーターになり、紹介もして下さいます。

1~3月は比較的仕事が落ち着いてしまう(笑)時期なんですが、今年は1月も2月も3月もそれなりに忙しくて。半分以上がリピーターのお客様からのご依頼でした。チラシの反響が悪くても、常にチラシを出し続ける事によって「ここはちゃんとやっているんだな」という印象を持ってもらえるようです。当店のチラシを「何枚も取っているのよ」と見せて下さるお客様も結構いらっしゃいます。ありがたいですね。

当店の場合は、値段も明確に出していますから、お客様としては安心して電話を下さるのかなとは思っています。

顔写真も自分の顔にしていますので、行った時に「チラシの方ね~~」みたいな感じで気さくに話して下さいますし。以前は本部の方の顔写真を使っていたのですが、その時よりも営業がしやすい。「やっぱり自分の顔を載せた方がいいんだ」と思いました。

信頼が積み重なって、リピートしてくれる構造が強いんだなと感じます。

それは強いですね。大小なりとも実績があるのは大きいですね。 たまにお客さんから、「何かあるとさあ、頼みたくなるのよね」って言って下さるんですよ(笑) 「また会えたね」なんて言ってくれるし、それは私も嬉しいですしね。そうするとそのお客さんは「良い人いるよ~」と周りにも言ってくれるので、年数が経つと本当にその辺は楽になってきます。

それを実感したのはいつ頃ですか

3年目あたりでしょうか。先輩オーナーからも「1年目より2年目、2年目より3年目……信用さえあれば、お客さんの方から注文が来るからね」と言われていて。本当にその通りでした! ですから、単価が安い仕事でも、一人一人のお客様に対して良い印象を残していくという事は、とても大切な事なんです。そのために、いろいろ工夫することが必要だと思っています。 具体的に言うと、ウチで使っているこのチラシ。価格をはっきりと入れているんですよね。

分かりやすいですね。

このパターンは、基本は本部作成のチラシですが自分なりにアレンジしています。文言も、自分で考えて入れていたりしますよ。去年1年間はこのチラシで、安定してリフォームも仕事になっています。

デザインのイメージは、元のチラシからあまり変えていません。変えるとしても、ちょっと写真を変更するとか。文言が「2年連続」から「3年連続」になったりとかですね……今回も、賞を貰ったので、その内容を追記したり。

この頬のグルグルマークは、本部からの話で基本的には付けるということになっていますけど、お客さんにウケるんですよね。ちょっとポップな方が、お客さんにウケるということなんでしょうか(笑)

地域に根付いて、4年も商売をしていたら、今や街の中でも認知されていると思うのですが、それ以前の金沢屋の認知度はどうでしたか?

私が始める前に、このエリアに以前のオーナーさんがいて、その方がきちんとお仕事をされていたおかげで、評判は良かったです。だから私はすごくやりやすかったです。あぁきちんとやってくださっていたんだなぁと思って。ありがたいですね。 ただその方はリフォームはしていなかったようですが。

悪い評判も回りやすいと思うのですが、そのあたりはどのように注意していますか

ふすま・障子・網戸に関しては、ミスが無いように自分が注意すれば大丈夫です。

でも、リフォームの仕事で万が一、業者さんがミスをしてしまった時などは、当然自分で責任を持って謝罪に行くようにしています。どうしても、人間がやる仕事なので、「見積もり内容と、若干違う仕事になってしまった」というケースでクレームになったこともあります。そのようなクレームが発生した際には、どんな内容でも、丁寧に、誠意を持って正直に対応しています。だから、そんなに悪い噂になるケースはないと思っています。

ふすま・障子・網戸でクレームになることはありますか?

まったく無いわけではありませんが極力ないようにしっかりと品物を確認してお届けしています。納品前によく見て大丈夫だと確認してからお客様にお電話をしてからお届けしています。

今では金沢屋のオーナーさんたちが集まっているLINEグループがあって、全国のオーナーさんが150人くらい繋がっているんですけど、新人さん達が写真付きで質問するとベテラン勢が「それはこうだよ」って答えてくれるので、本当に今は環境が良いですね。

オーナーさんは皆さん助かっていると聞いています。

私の場合は、良い先輩にもいろいろ聞けたし、義理の父と一緒に仕事をしているから助かりましたね。ちなみに、義理の父が建築士の資格を持っているので、すごく力になってくれました。リフォームでもなんでも、建築士の目線から、「これはこうしなきゃダメだ」と言われると、お客さんも納得しますよね。それで仕事も覚えていきました。

そういう意味でも二人三脚で仕事をしているので、気持ち的には楽ですね。他のオーナーさんは1人で働いている方が多いので、大変なこともあるだろうなと思います。でも今は横のつながりも強いので、良い環境だと思いますよ。全国に仲間がいるので頑張れる気がします。

他のオーナーさんと違って、今野さんは店舗を構えていらっしゃいますよね。
店舗をもつメリットが何かあるのでしょうか?

店舗はメリットもデメリットも両方あります。最初、自宅の6畳間で仕事をしていたのですが、依頼が多くどんどん手狭になってきたんです。玄関ホールから廊下からどんどん……カニ歩きしないとダメなくらいになっていって。義理の父にお手伝いをいただくようになってからは、リビングも使うようになって。仕事前にリビングのソファを全部脇にやって、ビニールで養生して、下にもブルーシートを敷いて作業台を持ってきて張替をしてもらってました。
どんどん天井にヘコミが増えていく一方で(笑) 。さすがにそろそろ店舗を考えようと思ったら、今いるテナントがたまたま空いたんです。不動産屋に「何にも直さなくて良いです。いざとなったら自分たちで内装できるので、そのままの状態で貸してください」ということで、結構安く借してもらったんです。ここだと、車を3台は置けるし、前よりはずっと広いからやっぱり仕事がしやすいですよね。快適です。

店舗の良い所は、「ホームセンターの向かいに店舗を構えています」と言うと、それだけでお客さんが実際に見て「あ、本当にあるんだ」って信用してくれること。

自宅だと、見に来られたときに「あ、自宅でやってるのね」と、ちょっと印象が違いますよね。ブランドと言いますか、そういう意味では店舗があると信頼が増す気がします。

なるほど。デメリットというと何でしょうか。

もちろん経費が掛かること。あとは、手伝ってくれる父が不在にしている間は、「外出中」の札を出すしかないです。平日は父が大体来て下さいますから、開けていられるのですが、父は土日がお休みなので、その時も閉めてしまいます。私が、外に納品や営業に行っているときも、常に閉まっているので「あそこの店結構閉まっているよね」って思われるのがデメリットです。

だから、本当は、職人が常に居てくれるといいなと。入ってきたお客さんに、詳しく説明できる人だと理想的なんですけど。いまでは、平日は父が居るのである程度は説明してくれるんですけどね。詳しいところになってくると、保留になることもありますので。

ご来店される方は結構多いのでしょうか?

いや、たまにです。でも、昨日も1人いたと言っていたかな(笑)

「ふすまを見せて」とか「障子張替えたいんだけど」とかで、商品の説明を求めに来るお客様が多いです。見本の障子を実際に見せたりしますよ。他は全部、常に営業車に積んでいます。

実際に見せているんですね。これは障子ですか?

障子です。一番安いのは1500円のものです。ちょっと破いてもらっても構いませんよ。

破いても良いんですか?(破る)

簡単に破れますよね? 一番安いものが「普通紙」で、本当に一枚ものなんですよ。これを二重に重ねたものが、2番目に安い倍厚紙。これは、繊維が二重になっていて……これちょっとこの辺を破いてみてください。

(破こうとする)破けない! あ、でも、思いっきりやると破けますね。

破けはするんですが、5倍の強度なので、これならお子さんが指を突っ込んでもビクともしません。当店ではこれが一番人気です。 もっと丈夫な紙もあります。猫ちゃんがいるご家庭だと、より丈夫な紙じゃないと太刀打ちできません。さっき破れにくかった5倍強度の紙も、猫ちゃんの爪にはかないません。だから、「猫がいて、ビリビリにされている家にはもっと丈夫な塩化ビニール二重のこれしか無いですよ」というお話はしますね。プラスチックみたいに強い障子紙です。

ペットを飼っているとか、お子さんが小さいとか、ご家庭の環境によって選ぶ紙が変わってくるということですね。

変わってきますね。小さい男の子がいて、破いちゃうんだったら丈夫な紙か、破けにくいもの。

価格的に予算オーバーのお客様にも、きちんと商品の説明をします。「若干値段は高いですけど、長い目で見て、安くて破けるものは毎年張り替えないとダメなくらい穴が開きやすい。1500~2500円のものでも、しょっちゅう張り替えていたら結構かかりますよ。 でも3500円の紙で、5年以上破けなかったら、そっちの方がずっとお得ですよね。」って。

確かに、そうですね。

「こっちの紙は8000円もしますけど、おそらく10年以上もちますよ」って説明をすると、かえってそっちの方が安いという事に気が付いて、しかもお客様のためになる。そこがすごく大事で。私がこの仕事で一番大事だと思っているのは「心配り」という言葉。

「気遣い」と「気配り」でも良いんですけど、ちょっと弱いんですよ。「気遣い」というのはその場の状況に応じて、相手の事を考えて行動する……現在進行形なんですよね。「気配り」はその先にある事を予測して相手にとって最善と思う事をする。だからこれでも十分いいんです。

でも「心配り」だけが、相手の立場に立つ、という意味が入ってくる。相手の立場になって、心情をくみ取って、相手のためになる事を考えて、お客様に提案するように心がけています。

あとは「おもてなし」というのも、いつも持ち歩いて忘れないように、心に刻んでいる事です。実際、金沢屋の仕事ってこの気持ちが一番大事だと思っていますね。

これが出来ればふすま・障子・網戸にとどまらず、リフォームにつながっていきます。お客様の事を思って、お客様の立場に立って話をすれば、「あぁこの人は単なるモノを売る人じゃない」となると完全に信頼関係が出来るし、そうすると他の事も頼んでみたい……となるのが人情です。それが成功の一番の近道だと考えています。

全国的には、価格は共通ですよね。ただ、エリアによっては家賃が高いこともあります。その辺の負担はどうなっているのでしょうか。

当然ありますよね。ライオンズマンションの1階を借りて店舗にしている方もいますし。かといって、自宅で作業して家賃がかからないのに、思うほどうまく行っていない方も当然いるわけです。

でも個人的には、金沢屋のビジネスでは本人の努力次第でだれでも成功できると実感しています。

やればどうにかなるという事ですね。

やればどうにかなる。あとはやり方を工夫すればいい。北海道の寒い所だってちゃんとやっている人は当然いますし。仙台だって、冬になったら仕事が無いんだろうなと思っていたけど、冬でも今ではそれなりに忙しい。そこはやり方次第です。

ずっと本当に、模索しながらもがいて。というよりも、私の場合はただがむしゃらにやってきた3年間だったなと。4年目に入ってからは、気持ちに少し余裕が出てきました

あとはこれからどうするか。税理士さんには会社にしろと言われていますから。来年辺りと考えています。会社にしないと勿体無いと言われちゃいました(笑)

もったいないと思います(笑)

ある意味では「地道に4年やって、5年目に入ってから会社にすることも出来ましたよ」っていうひとつのモデルになるかもしれないですね。 最初から、金沢屋を始めると同時に会社を設立する人も中にはいます。凄いですよね。尊敬します。

今野さんの、今後の展望などはありますか?

まず来年には法人化して、あとは人の問題を解決しなければなりません。今は義父に手伝いに来てもらっていますけど高齢なので、いつまでもこの体制でいるわけにはいきません。あと数人くらい雇っていきながら、きちんとしたリフォームも出来る会社として認知されるようにしていきたいと思っています。

リフォーム会社にもいろいろありますけど、私は地域に密着してお客様に感謝しお客様の立場にたって、困っているお宅のお手伝いをしていくような、お困りごとを解消して快適な暮らしを支えていけるような会社にしていきたいなと思っています。「心配り」と「おもてなし」を大切にして地域から必要とされる会社にしたいと思っております。

金沢屋と出会って、良かったことはありますか?

全部ですよ。亡くなった先代の細田会長さんにはもちろん感謝しています。よくこれをフランチャイズ化してくれたなと心から感謝しています。私は、この金沢屋の仕事を、天職だと思っているんですね。こんなに自分に合っていて好きな仕事をさせてもらっている、最高ですよね!。好きな仕事に出会える人の方が少ないと思うんです。それをやらせてもらっているというのは、本当にありがたい。

なので、金沢屋本部には、社長さんはじめSVさん、事務所の方々に本当に心から感謝しています。また、資材の仕入れ業者さんがあってこその仕事なので、業者さん下請さんにも本当に感謝感謝です。

それと今では全国に金沢屋の仲間がいます。みんな同じ方向を向いて努力しているのですごく仲がいいです。またみんなが頑張っているから自分も頑張ろうって、元気を貰っています。こんなご縁にも本当に感謝しかありません。本当に金沢屋に加盟してよかったです。日々感謝、日々精進、日々努力。これからも顔張っていきます。

長時間お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

店舗詳細

金沢屋 仙台中山・八幡店
宮城県仙台市青葉区

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