宮城県仙台市若林区かすみ町
2016年3月 開業
インタビュー時期:2019年3月
そうですね。折り込みチラシを入れる地域はキッチリ区分けされてあります。もし、担当エリア外から問い合わせがあった場合は対応しますが。
隣同士のエリアの方と顔見知りで仲が良いので、お互いに上手くやっていけています。フランチャイズといえば、近いエリア同士で喧嘩することもあるみたいですよね。金沢屋ではあまり問題になっていません。しょうがない時もありますしね。
電気工事の仕事をやっていました。基本的には下請けメインで、電柱や電線の工事を扱う会社でした。仕事相手は、電力会社や工事会社。知った顔ばかりですよね。それなりに上手くやってはいたんですけど、会社と取引先だけのやりとりで、ちょっとマンネリ化してきたなって思っていたんです。
その当時、友人に独立している人が多くて、自分もいつか独立したいなとは思っていたんですよね。でも、「さて自分に何が出来る?」と考えたときに、特にスキルがなくて。……当時は事務系の仕事をしていたので。
もし独立するなら、直接お客さんとやり取りができて、自分の実力や努力がそのまま評価してもらえる仕事がしたいなと思っていたんです。いつのころからか、起業の意識が高まって、雑誌で調べていたら「金沢屋」を見つけたんです。
見てみると簡単そうじゃないですか。「すぐ出来るかも?」って思っちゃって(笑) もともと、網戸や障子を外すのは実家で手伝っていたので。
お掃除関係ですね。テレビでみかけて、最初はそちらに問い合わせしたんです。でも、田舎だと掃除を頼む方も少なそうだし、ちょっと難しいかなと。
その他にも探していたんですけど、その途中で金沢屋を見つけて、説明会に出ることにしたんです。ふすま・障子・網戸をきっかけに、畳やリフォームの仕事も頂けるという金沢屋のやり方を聞きました。
それって、今までやっていた「電力会社から仕事をもらって、工事会社に発注する」という管理の仕事と同じ様な感じで、上手くやれるのかもと思って、始めることにしました。
金沢屋の本部の方がいろいろと親切に教えてくれたんですよ。たくさん質問して、それにも全部受け答えをしてくれたので、印象が良かったですね。
気持ちとしてはだいたい決まっていたんですけど、「ちょっと検討します」といったん持ち帰ったんです。それでも2、3日で電話しちゃいました(笑)
主な営業方法がチラシなので、営業経験がなくともなんとかやっていけるのかなと思った点ですかね。テレアポとか飛び込み営業をする必要はないですし。
でもやっぱり一番は、お客さんと直接やりとりできて、自分の努力がそのまま返ってきて仕事につながる、というスタイルが面白そうかなと思いました。
私の場合は少し長かったですね。最初の説明会を受けたのが5年前の9月だったかな? 開業したのが2016年の3月ごろ。説明会に行って実際に開業するまでが、半年くらいかかっています。
というのも、9月に説明会に行ったときに「最短で開業できるのが、11月12月ごろ」だって言われていたんですが、金沢屋の繁忙期はちょうどそのころ。そうすると、一番忙しい時に開業することになるので、助走期間をつけたかったんです。
1月2月は仕事が落ち着く時期だと言われていたので、2月か3月にはじめることにしました。本部の方から「この地域だと2月に始めるのはまだ早い。まずは3月に始めて慣らしていった方がいい」と聞いていたので、3月辺りから練習のつもりで、徐々にやっていくことにしました。
この辺の地域って、ふすま・障子はまだ寒いから動かないんです。最初は網戸が多くて……独特なんですよね。あと、この地域のお客さんは、問い合わせる前に一回様子見ちゃうらしいんですよ。なので、最初に1万枚チラシを撒いて、問い合わせが来たのが網戸1~2枚のお客さんがパラパラと3件位という感じ。ビックリしましたよ。どうしようって。
こっちのお客さんは、関東・関西方面の人と違うみたいで、「ずっとチラシを見ていて毎回とっておいているんです」とか「いつも気になって見ていました」っていう人が多いんです。気になっていてもすぐには電話してこないみたいですね。様子を見てるというんでしょうか。
いやあ、今でも多少波はありますよ。
仕事をしている中で、リピートが増えたこともあって依頼を多くいただくようになりました。それに、リフォームも含めていろいろな業者さんと知り合いになってくるじゃないですか。こっちからお願いしていた業者さんから、逆にお客さんを紹介してもらえることも少しずつ増えてきていたので、少し安定してきました。
そうですね。ちょくちょく入って来るのが、ハウスクリーニング業者さんからの紹介。エアコンの掃除とかで家に入って仕事をしているので、そのなかでお客さんから「こういう事も出来る?」って質問されるらしいんですよ。
そしたら、「網戸やふすまの修理なら、金沢屋さんを紹介しますよ」って言ってくれるらしくて。でも何割かですけどね。基本的に集客は、チラシからの問い合わせが多いです。
何件かあります。ひとつは、テレアポで営業している会社。そっちは、ふすま・障子・網戸だけじゃなくて、リフォームも扱っているみたいです。どういった経緯で電話番号を調べるのかわからないですけどね。あとは、畳がメインで、ふすま・障子もやっていますっていう所が何件かあります。
よくお客さんが比べているのに、金沢屋よりは規模が小さいのですが積極的に営業されている会社さんがあります。そこは、チラシをガンガン撒いているみたいですね。でも、その1社ぐらいで、そんなに競合相手がいるという風には思いませんね。
一番苦戦している所……、リフォーム関係の見積もりでしょうか。ふすま・障子・網戸は、値段がパシッと決まっているんですけど、リフォーム関係だといろいろな要素が絡むので、なかなか即答するのが難しくて。
リフォームの仕事も増えてきていて、ふすま・障子・網戸の修理でまずはお付き合いをして、「実はリフォームもできますよ」ってご案内すると、後から電話かかってきたりとか「ちょっとこっちも見て」とか、そうやってつながっていくことが多くなりました。
チラシでも「少しリフォームができます」っていうのを謳っているので、それを見ていきなりリフォーム案件で電話をかけてくる人もいるんですけどね。
お客様の家の状態を診断してから、襖や障子の張替え以外に、クロスの張替えや大工工事など色々やってますよ、という営業シートと、自分のプロフィールを載せたシートをお客様の所に置いてきます。この方法も、となりのエリアのオーナーさんに教えてもらって、取り入れることにしました。これを始めてからは、リフォームの案件も増えましたね。
8割方は、ふすま・障子・網戸の張り替えで、だいたい残りの2割くらいがリフォームです。でも今年からは、もう少しリフォームを頑張ろうかなって思っています。
リフォームのご案内も毎回やっているので、お客様にあった提案が出来るようになってはきていると思うんですけど、でも本当にお客さんのタイミングですよね。そろそろリフォームって考えているかどうかなんですよ。その種まきっていうわけではないですが、ふすま・障子・網戸の張り替えの方を一生懸命やると、後からつながってくるパターンが多いですね。
徐々には増えています。最初の頃は、お礼の葉書とかを出していました。あとは、本当に仲良くなったお客さんに対しては、近くを回ったときにちょっと顔を出したりしています。やっぱり地道ですよね。特別な手法とかはやっていないです。
やっぱり、リピーターをどう増やすか?ということですね。あと、リフォームの知識を付けないといけないなと思っています。さっき話した値決めも含めて、知識が必要です。お客さん対応は最初が肝心なので、「クロス張り替えいくらですか?」「いや、ちょっとわからないので確認します」となると、不安になりますよね。
最初はクロスでした。その後、意外とすぐ大きなリフォームを取れちゃったんですよ。その件は、はじめはふすまの修理で伺ったんですが、実際に家に行ってみたら床がベコベコしてて。そしたらお客さんに、「ちょっとこの辺も見てもらえる?」って言われて。
でも、その時は全く知識がなかったので「今度知り合いの大工さんに見てもらいますね」と、その日は帰りました。次に来た時に、業者さんに見てもらったらシロアリにやられていたんですよ。これはしっかり直さないとダメだということになって、床を工事することになりました。進めていったら、柱とか、玄関の上の方まで被害が広がっていて……
で、最終的には、天井と床とクロス。シロアリ駆除もして、160万円ほどになりました。
そのときも、となりの金沢屋のオーナーさんが、「リフォーム案件で何かあったらここに連絡して」って紹介してもらった業者さんがいたので、仕事がお願いできたんですよ(笑) ありがたかったです。
私ははじめから「ここでやるなら近隣の人に挨拶しないとダメだな」と思っていたので、開業するときにはすぐに挨拶に行きました。特に畳の業者さんは、近隣のオーナーさんに紹介してもらおうと思っていたので。
それで実際に挨拶に行ったら、いろんな業者さんを紹介してくれましたし、営業の方法もいろいろ教えてもらって。その通りにやったら、すぐ仕事が取れちゃって驚きました(笑)
開業当時、私が隣に行っていろいろ指導を受けて、真似をしてうまくいったので、それが教え合いの文化のモデルケースみたいになってるんだと思います。
教えてくれたそのオーナーさんは優しい方なので、このあたりで誰かがまた新しく始めた時には、すすんでやり方を教える……っていう雰囲気になったんですよね(笑)
それがこのエリア特有の文化だったんですけど、去年の1月にあった全国大会の時に、教えてくださったオーナーさんが「みんな協力し合ってやりましょう」っていうスピーチをしたんです。その声掛けから、全国的にも教え合う雰囲気ができたみたいです。
それもそのオーナーさんが広めたものです。そのLINEグループには、最初何人かしかいなかったのに、「こういうのあるよ」って紹介されて入ったら、いろんなオーナーさんも入ってきて、情報もシェアするようになって……それで皆助かっているっていうことなんです。やっぱり1人でやっているので、何も情報が入ってこないと、一人ぼっちになっちゃいます(笑) 難しい案件が来たときなんか、やり方もわからないし、困りますよね。LINEに投稿された他の人の案件を見てるだけでも、「あぁこんな感じでやっているんだ」って参考になるので、良いと思いますよ。
わたしが開業した当時はそんなのは無かったですから、何かわからないことがあったらSV(スーパーバイザー)に質問していました。あとはすぐ隣の、例の彼のところに走って行って、「これどうしたら良いんですかね?」ってよく聞いてましたね(笑)
とりあえずSV(スーパーバイザー)に連絡すればなんでも教えてくれたので、その点で良かったと思います。ただ金沢屋の本部も常に進化しているので、更にバックアップ体制が整っていて助かっています。
あと、最近はメンター制度というものが出来上がっていて、開業する前に近くのオーナーさんに研修に行けるようになったそうです。私が開業した5~6年前はそんな制度がなかったので、正直羨ましいなって思いますよ(笑)
1年目はそうは思っていなかったんですけども、2年目、3年目と時間を重ねていくにつれて、全国のオーナーとつながるようになったし、いろんな研修会とかも増えて、それは良いなと思っています。
エリア会議とかそういった集まりでは、トップオーナーさんの話が聞けますし、そういうのが一番勉強になりますね。去年参加した会議でスピーチをしてくれたオーナーさんの話は、すべて参考にしています。そういう意味では、金沢屋の全体の雰囲気が、とても良いんですよね。
やっぱりトップオーナーさんは、自分で苦労して、いろいろ試してみて、成功の積み重ねが今につながっているわけじゃないですか。最初の方はもっと苦労していたと思うんです。苦労した量が違うといいますか。その経験があるから、すごくためになる話が多いです。私なんかは最初から、「誰か上手くいっている人の話を聞いてマネしちゃおう」って感じだったから(笑)
大失敗ですか……。最初の頃は技術は習得してはいるものの、まだまだ努力の予知はあったので、手直しもありましたし、後からお客様からご指摘を受けることもありました。でも、そんな大きな失敗はないですね。お客様とトラブルになったとか、どうしようもない位の失敗というのはありませんでした。努力して、とにかくお客様の所に行って誠実に対応すればどうにかなりました。
昔からその辺は意識していて、お客様へ変な対応をしているつもりはないです。もともと、友人や知人から、「こういうことはやっちゃダメ」という助言をもらっていたんですよね。なので、誠実に対応するようにしています。
集客や反響率についての心配はしてません。もう4年目なので。チラシを撒いた反響が良い・悪いはその時のタイミングとかいろいろあるので、その辺は慣れてきたし、最初に撒いたチラシなのに、何カ月か後に電話がかかってくるという事も平気であるんですよ。だから一喜一憂することはないです。
でも、人を増やすかどうかは迷っていますね。これからも一人でやるのか、人を雇うのかってこと。
本当に多い時はもう手が回らないですね。お客さん対応もしないといけないし、引き取りも、納品も、見積もりも行かないといけない。何でも自分でやらないといけないので、日中なんてほとんど動いてばっかりですよ(笑)
やっと夕方になって作業を始めるっていうパターンなので、結構忙しい時になると夜11時~12時位まで仕事しています。結構いっぱいいっぱいですよ。最低でも1日12時間は働いています。それを1ヶ月に25日間(笑) 普通にやっていたらそれぐらいになっちゃいます。
そうですね。いまは、店舗も構えてなくて割とひっそりとやっているので、それは検討しています。もともと金沢屋には「店舗を持たなくても仕事ができる」という理由で加盟したんですけど、やっぱり店舗を持っていた方が、お客さんの受けも良いのかなと。
以前、隣のエリアでやっていたオーナーさんが、結構目立つ所に店舗を構えていたんですよ。そのオーナーさんは辞めてしまったんですけど、お客さんから「あの辺でやっていたけど、一時期閉まってたよね」という問い合わせが良く来るので、やっぱり店舗を持っているとお客さんに見てもらえるんだと思います。
実は、その辞めてしまったオーナーさんが担当していたエリアを新たに担当する事になって、地域拡大したんですよ。それこそ、そのエリアでは4~5年前から前のオーナーさんが金沢屋の仕事をしていて、昔からチラシをどんどん撒いている地域なので、「金沢屋」の知名度はそのエリアの方が高いんです。だからそのエリアの方が反響は良くて、去年なんてお客さんの6割がそのエリアでした。
そうですね。なので、次は人を増やしたいなと。単純に2エリアを1人で担当することになったので、仕事が増えてしまって。
まぁなんとか順調です。それもやっぱり本部や、近隣オーナーさんのサポートがあってこそ、ですね。金沢屋がいろいろと教えてもらえる体制になっているので。
エリア会議では、ゲストオーナーさんから成功事例を聞けるし、すごく勉強になります。
目標ですか……いまのところ、そんなに考えていないですけど(笑) やっぱり店舗を構えて、人も雇ってきちんとした会社にはしたいです。一人でやっているといろいろとデタラメになっちゃうんですよ。
時間の使い方もサラリーマンをやっていた時とは全く違うんですよね。1日12時間も働いているので決してダラダラはしてないですけど、出勤時間が決まっているわけではないので、自分の中でピシッとした感じがなくて。ちゃんとした形になればもう少し良いのかなと思います。
嬉しかったこと……毎日毎日いろいろありますからね。でも、1件1件、お客さんと直接やりとりをして、喜んでもらえることが、やっぱり一番楽しいですね。特にふすまは、「綺麗になったね」と言ってもらえますし。
そうですね、ここまでくるのにはいろいろとあって。開業当初は、本当にボロボロになる位に壊れてしまっているふすまを「直して」って言われたりして、困ったこともたくさんありました。穴が開いていたり桟(さん)も折れていたり、「これどうしよう?」っていうのはありましたね。
お客さんによっては、継ぎ足して修理したよう板の張り方をしているものがあったり。たぶん、それはもともと納品した建具屋さんのやり方が違うからだと思うのですが。
技術的にいちばん苦労するのが、真ん中に窓とか付いている中抜きタイプのふすま。まずこれを外して作業しないといけないのですが、外しにくいんですよ(笑) それで。一度、間違ってガラスを壊したこともあります。
知識があるんじゃなくて、経験でしょうか。困ってもいろいろと調べて何とかするんですよ(笑) となりのオーナーさんや取引してる大工さんや業者さんに教えてもらったり。前職時代に、工事会社さん同士で情報交換しているのをよく見ていたので、それが大事なんだなとは思っていました。とにかくいろんな人の話を聴いて、素直にやる!というのは大切にしています(笑)
なんでも、やる!と決めないとダメだと思っています。(笑)
安請け合いではなく、責任を持ってやり遂げると言うことに尽きると思います。