愛知県半田市冨士ケ丘
2018年6月 開業
インタビュー時期:2019年5月
サラリーマンですね。出身が沖縄で、こちらに出てきて色々な会社を経験しましたが、はじめに就いた仕事は、訪問販売のリフォーム業でした。その後、転職して、最後にサラリーマンとして働いたのは、製造業。工場で、車や注射針とかを作る時に使う、金属を加工するための砥石というものを作っていました。
きっかけは地元時代からの友人が、20歳前くらいからこの地域にずっといたこと。友人も私が上京してきた時に入社したリフォーム会社の別支店で働いていました。だから、彼もリフォーム出身になるんですよね。
彼もずっと僕と同じように仕事をしていて、最後に働いた製造業の会社にも2人でいたんですけど、彼は先に会社を辞めて独立しました。
いまでこそ人と話をしながら進めていくお仕事なんですけど、実は、団体行動やチームワークが苦手で(苦笑)。ですので、自分自身で独立して仕事をやりたいと思ったのが大きな理由です。独立して働く方が、儲けられるんじゃないかと思ったのもあります。
あとは、もともと父が自営で建設業をやっていたので、独立に対しては抵抗がありませんでしたね。
ただ、建設業やリフォームで独立するという考え方はあまりありませんでした。私自身があまり器用な方じゃなくて、上司がいれば動けるというポジション。どちらかと言えばプレイヤー気質だったんですよね。
見るには見ました。でも、周りからよく聞くような、会場に行って説明を聞いたりとかは、一切しませんでしたね。
インターネットで金沢屋を見て、お客様とのお付き合いの入口として襖・障子・網戸の張り替え入って、ゆくゆくリフォームに繋がる……っていう部分が、私自身の経験とマッチしていて良いと感じました。
第一印象で、金沢屋で良いや!という気持ちになっていたのですが、周囲から結構反対されていたので、念のため一度だけ説明会には行きました。具体的にどういう事業内容なのだろう、という部分を確認しに。
僕自身、今までフランチャイズをやろうという考えはありませんでした。そもそも「フランチャイズビジネス」自体にあまり良いイメージを持っていなかったので。でも、商売としてきちんと成り立つということを大前提に、話を聞きに行ったんですよね。
説明会では、原価の割合と、「チラシをどれくらい撒けば、どれだけの反響があるか」という予想の数字などを聞きました。正直にいうと「本当にこれで上手くいくのかな」という疑いはありましたね。ただ、実際に全国で200店舗以上のオーナーさんがいるとは聞いていたので、そこも後押しにつながったかなと思います。
とはいえ、「絶対これだけで食べていけるはずが無い」と慎重に考えていました。
ただ、僕自身がリフォームの業界を経験しているのでリフォームの技術はあります。でも、訪問して「リフォームどうですか?」だと門前払いされてしまうじゃないですか。なので、もう少しお客様とお付き合いをしやすい商品……襖・障子・網戸の張り替えというのは、非常に親和性があるなと感じましたね。金沢屋の説明会でも、襖・障子・網戸の張り替えをしながら、うまくいったらリフォームを受注するのが理想的だ、という流れですから、それは僕のスキルに合ってるかなと。
いくらそうは言っても、襖・障子・網戸の張り替えで僕自身の仕事を見ていただいた後に、リフォームを検討してくださるわけですから、最後の最後は、仕事ぶりや僕自身の人間性次第で結果が決まるのかな……ということは思っていました。
まあ、でも躊躇しましたよ(笑) だけど最終的には、サラリーマンとして在籍しているうちに話を聞きに行ってました。どちらにしても独立するつもりだったので「上手くいってくれ!」という……少しばかり賭けでしたね(笑)
それで、去年(2018年)の6月に開業して、現在でちょうど1年くらいが経ちました。 2018年の3月末頃に説明会に行って、3ヵ月後には開業していたことになりますね。でも会社をもう少し早く辞められていたら、もっと早く開業できたのかもしれません。
研修は6日間ありましたが、とても丁寧に教えてくれたと記憶しています。座学中心でしたが、内容についてはとても細かく教えてもらいました。ただ、僕にとってはちょっと情報量が多すぎたかな(笑) 聞いたことがない用語ばかりだったので、研修の段階ではあんまり頭に残っていなかったかもしれません(笑)
「こういう場合は、こういう風に対応して下さい」といったような、ケーススタディ的なことを、詳細に説明してくれた印象はあります。
研修会のあとは、実際にお客様に出せる水準まで、自分自身で練習を繰り返して、開業に備えていました。
開業したのが夏前なのですが、SV(スーパーバイザー)から聞く限りでは「反響が良い方だった」そうです。折り込みチラシを撒いたその日から、問い合わせの電話がずっと鳴っていましたね。
開業したタイミングが夏だったので、シーズン的に網戸の張り替えがとにかく多くて。僕は、この仕事をするまで網戸なんて触ったことが無かったのですが、研修で学んだ技術で、対応していきました。
夏を超えて、秋冬になってくると、ちょうど去年の夏後半は台風が2~3個直撃したので、リフォームの依頼が多くなりました。
チラシにも、リフォームについて謳っているからか、「雨漏りがした」「雨樋(あまどい)が壊れた」というような問い合わせを頂くことが多くて。9月から11月くらいまでは、屋根を張ったり、壁を塗ったり、窓を直したりと……リフォームばかりやっていましたね。その時は、チラシも出せないくらい忙しかったです。
はい、驚きました。普通は「チラシの効果は長くても2週間」と言われているみたいなんですが、ウチの場合は長ければ1ヶ月後でも電話がかかってくるんですよね。今年だと、3月にチラシを撒いたのが最後なんですが、2ヶ月後の今になってもお電話を頂いたり。長い間チラシを取っておいてくれるお客様も多いですね。
金沢屋で「繁忙期」と言われているのは11~12月頃ですが、僕の場合は、台風の影響でチラシを撒くこともできなくて、ようやくチラシを撒けたのが12月半ばごろ。本来であれば、11月前からチラシをださなければ、年末の需要に間に合わないので、「遅いかな」と思ったのですが、年末手前ごろまでは障子の張り替えの依頼がけっこうありました。
そのときは忙しくて、夜中の3~4時まで張り替え作業をしていた日もありましたね。考えてみれば、お客様は年越しまでに障子や襖を張り替えたいですよね。なので、こちらも絶対に年末までに納品しなくてはいけないと思っていました。それは多分、どこのオーナーさんも一緒だと思いますけど。
年が明けた1月も、年末の駆け込みからスライドしてきたお客様がいらっしゃったので、比較的、襖・障子のお仕事を頂いていました。その間にも、リフォームの依頼があったりして、忙しくしていましたね。
最初の段階は、作業効率が悪くて苦労しましたね。
紙を発注してから仕上げの状態になるまでに時間もかかりますし、仕上がったものが、きちんと納品できるレベルかどうかは、その時までわからないので。ある程度乾かして、落ち着いた時には皺が寄っていたりして。それでも納期は迫ってくる……その辺は、大変でしたね。
襖や障子は、濡らしてから張り付けるので、乾いたときの仕上がりが読めませんよね。多少のシワであれば微調整がききますが、けっこう大きくシワが入ると、張り替えになってしまいます。そういう時でも、張り替えた瞬間にはわからないんですよね。
直せるシワと直せないシワで、何度も格闘しました(笑)
ある一軒のお宅だけで、けっこうな枚数……30枚程度の依頼を頂いたことですかね。枚数もさることながら、とても良い紙で張り替えてくださったので、張り替えの仕事だけで60万円くらいのお仕事を頂きました。けっこう驚きましたね。
サラリーマンの時より、明らかに収入は上がったと思います。とはいっても、売上はすべて奥さんに渡しているので、本当はよくわかっていないんですけど(笑) 支払い分などの金額をみると、まだ稼ぎたいなとは思いますが。儲かっているんじゃないかと思います。
雨樋(あまどい)や屋根の漆喰、塗装などは、僕がやっています。得意分野でない場合は、業者さんに協力してもらうこともありますね。最近だと、フローリングの張り替えも対応したりしています。
他のオーナーさんの話だと、クロスの貼り換えが多いということも聞きますが、ウチはそんなことはないですね。いままで1~2件ぐらいしか問い合わせが来たことはないかも。
折り込みチラシを、1回あたり3万部前後、配布しています。
ここ1年間でいうと、開業当初に10万部ほどは撒きました。それは2回ほどに分けたのかな。それで反響が多かったので、「いやもう無理」というほど仕事がいっぱいになってしまったので、そこからは多少抑えたかもしれません。
6月に開業した時には、そんな感じだったので、7~8月のことをあまり覚えていないのですが、それでも1年間通して10回は撒いていないと思います。あと、先ほども話したとおり、台風の影響があったので、毎月チラシを撒かなくても依頼が来ていたんですよね。
僕自身としては、あまり仕事を詰め込んでしまって、仕事を雑にするわけにはいかないので、お客様に迷惑をお掛けしないよう、仕事量をコントロールしているつもりです。
半田だと家を建てる業者さんやリフォーム業者さんが多いように感じますね。
建具屋さんや張替え業者さんもありますね。
その中でも、金沢屋を選んでくれる理由の一番は地元の業者だからと言うことが大きいかもしれません。
他の業者さんの場合だと、少し離れた業者さんだったりするんですよね。
実際に、お客様からも「ウチと近いね」なんて言われたりすることも多いです。
連絡すれば必ず返答はあるし、きちんと対応してくれていると思います。ただ、さすがに、いつでもタイムリーに回答が来るわけではありません。その間、作業をストップすることはできませんから、自己解決してしまこともありますね。他のフランチャイズと比べて、どう違うのか? というのはわからないですけど。
僕も、もともとは営業職だったので、もし本部が適当な返答をしているのであれば、わかってしまうと思います。聞かれたことにはきちんと答えるようにしないと、オーナー側との信頼関係は築けないわけですよね。きっと本部側にも「あやふやな回答はしない」という意識があるのかな……とは感じています。そんなルールがあるのかは知らないですけどね。
本部の対応で解決しないときには、オーナー同士のLINEグループに質問を投稿して、教えて頂くことも多いです。僕の場合は、対応したことのない種類の網戸の取り外し方とか。僕ではないですけど、襖関係の話も、よくLINEで質問されているのを見かけます。こういう戸襖の張り方はどうしていますか? というような。
いえ、僕が開業するころには無かったです。だけど、どこか自分の中で気になっていたんでしょうね。僕の場合は、実際に売上を伸ばしているトップオーナーさんから、お客様への提案・集客・技術を学びたいと思っていたので、神奈川県のとあるオーナーさんに直接連絡して、まる1日同行させてもらいました。開業してからだと、遅いと思ったんですよね。
いくら技術面を理解していても、ご提案してから納品するまでの一連の流れを見ておかないと! と思ってのことですよね。それでその方に、お願いしました。やっぱり、活躍しているオーナーさんの所に、1日でも2日でも良いから研修期間を設けたほうが良いと思うんです。僕も、あのタイミングで先輩の所に話を聞きに行けたのは、すごく良かったなと思っていますし……
今となっては、それが制度として出来上がっているみたいです。
やはり、オーナーさんの中でも上位にいらっしゃる方だったので、お客様への対応や、提案内容を聞かせてもらえたことは、すごく参考になりました。
僕は、もともとリフォーム会社の営業だったので、訪問販売独特と言うかいわゆるセールスって感じの営業をしていましたし、断られて当たり前という世界だったんですよ。だけど、金沢屋の場合だと、「お客様から問い合わせがあって、その場に行く」という流れ。なので無理やりに「これを売らなきゃ!」という強引な営業トークが、金沢屋には無いんですよ。
反響があって、ニーズが顕在化しているお客様からの問い合わせですから、きちんとご納得してもらえる説明と提案をしていけば、自然とお客様が増えていく、ということは実感していますね。
でも、僕にはその感覚はその当時なかった。なので、実際に金沢屋で成功しているオーナーさんに、話を聞かせてもらおうと思いました。
襖・障子・網戸自体は、昔に比べたら少なくなっているでしょうし、和室も少なくなっていると良く聞きますが、ビジネスの全体像は良いと思っています。
襖・障子・網戸の張り替えが、お客様とつながるきっかけになって、仕事をした結果、信頼してもらえれば、リフォームなどの他の仕事をいただけることもある……という一連の流れが良いなと。僕がリフォームの訪問販売をしていたころは、どうしても飛び込みで行かなくてはいけなくて。でも、金沢屋だと、お客様からの問い合わせがあって、ご自宅に伺わせていただくわけですよね。その点、やっぱり信頼関係が築きやすいのかなとは感じています。
あとは、地元感があるということ。お客様がウチを選んでくれる理由のひとつだとも思っているのですが。この辺りは、お祭りがすごく盛んな町なので、横のつながりが結構濃いように思うんです。他にもチラシを撒いている競合になる業者が2~3社ありますが、お客様からは「地元だから」「近いから」と、よく言われますし。
お客様は、それが一番安心するんだろうな……とは思っています。もちろんチラシの効果でもあるんですけど。開業して1年目なので、僕自身が信頼してもらうには、もう少し時間が必要かなとは思っています。
つい先日に決まったことなのですが、はじめの方に話にでた地元の友人も、一緒に金沢屋を運営することになったんです。数日前までは会社にしようかと思っていたのですが、一旦ストップすることにしました。
彼が金沢屋に入ってくれて、この地域で一緒に金沢屋を大きくしていこうと思っています。リフォームも含めて、自分たちでできる仕事の幅を広げていけたらいいなと。
ただ、自分たちがもっと年を取ったときに、それだけでやっていけるとは思っていないので、 金沢屋のベースは拡大しつつ、色々な事業に挑戦したいと考えています。いますでに、飲食店を1軒やろうかなと思っていますし。
ただ、まずは、目の前にある張り替えやリフォームのお仕事を丁寧にやっていった上で、それが身になっていくように頑張って行きたいと思います。