襖・障子・網戸の張替専門の店舗運営を行う現役金沢屋オーナーに金沢屋を選んだ理由をインタビュー

金沢屋 揖斐大野店

岐阜県揖斐郡大野町
2015年10月 開業

インタビュー時期:2019年5月

金沢屋を始めたきっかけは何かありますか?

開業したのは、2015年10月20日で、現在で4年半くらいになります。 独立のきっかけとは言えないかも知れませんが、時間的な面と金銭的な面でしょうか。もともとはサラリーマンとして名古屋に通勤していたんですけど、電車で通勤するのが虚しいなと思って(笑)

自宅から職場まで電車ではそんなに時間かからないですけど、自宅から最寄りの駅までが遠かったんですよね。駅までバスで30分ぐらい。終バスが19時までだったので、仕事が終わって戻ると帰ってこられなくなっちゃうんですよ。

夜遅くまでバスが出ている駅を利用すると、今度はそこからバスで自宅まで1時間も時間がかかるんです。
そういうこともあって、最寄り駅まで車通勤にしてもらったのですが、会社はガソリン代を負担してくれたんですけど駐車場代は負担してくれなくて……。駅に近いと1万円くらいしますしサラリーマンとしては金銭的に負担が大きくて(笑)

前職はどういったお仕事をされていたのでしょうか?

パイプ樹脂管を作っているメーカーに勤めていました。
最初は家の近所の工場があって、そこまで徒歩で通勤していたのですが、後の独立のきっかけになったんですけど、本社の名古屋に栄転して(笑)

工場では現場仕事をやっていたんですけど、そこから名古屋本社の営業本部に入って、営業マネージャーみたいな事をやっていました。営業に関しては私があっちこっち回っていくわけではなくて、法人営業で価格やサービスなどを最終的に決定する役割。

栄転したのは良かったのですが、それまで以上に忙しいですし、何より通勤時間が実質的には片道2時間くらいかかっていましたね。 3年間ほど通っていましたが、通勤に往復4時間費やしていることを考えると、その時間も本来は働けるわけですし、すごく無駄に感じてしまいました。

そこで、どうせやめるなら独立した方がいいかなと思い「じゃあ、自分自身に手に職が付く仕事がしたい」と考え始めました。

金沢屋を選んだ決め手は?

他にもいくつかは考えていました。
一つ目は、料理関係の仕事。
二つ目は、全国的にも有名な掃除関係のフランチャイズですね。

ただ、飲食店は正直まったくの初めてなもので、仮に食中毒なんか起こしたら大変な事になるなと考えて、選択肢から外しました。

そして、掃除関係のフランチャイズと金沢屋で検討しました。掃除関係も良いなと考えたんですが、それぞれの家によって状況が違うでしょうし、おそらく掃除業者を呼ぶお宅はすごく汚れてる状態なんじゃないか? と心配になりまして(笑)とても汚い家のトイレを掃除できるメンタルが私にはなさそうに感じてしまったので、金沢屋を選びました。消去法です。

説明会のときに印象が良かったのが一番かな。加盟料も含めてですが。
あと具体的にとなると難しいですが、「あぁ良いのかもしれないな」というインスピレーションもありましたね。

金沢屋というフランチャイズで、仕組みを教わって活動するのでしょうけれど、自分の頑張り次第では良いところを目指せるのではないかと感じました。もちろんその分、売上が低くても自分の責任なんですけどね。

メリット、デメリットはどう認識しましたか?

もうやる気になっているので、ポジティブな面を盲目的に聞いてしまったことは否めません。とはいえ、飛び込んでみないことには分からないですし、現場では受けた説明と違うシュチュエーションがあるのは当たり前だと考えていました。

本部の研修以外に、学ぶ機会はありますか?

昨日も、名古屋で十数人集まった勉強会をやっていました。
エリア会議なども年に3~4回ありますが、それとは別で有志で集まって情報交換をしています。

地域によって多少の違いはあるかもしれませんが、愛知・岐阜・三重・静岡のオーナーさんたちが集まってお話を伺ったりしています。オーナーさんによってお客様に対する姿勢や考え方、提案方法などを学ばせてもらっています。自分のやり方と比べて「このオーナーさんと自分とはここが違うな」と思うこともありますし。

開業当初で苦労したことは?

金沢屋本部の研修では、基本的なことをきちんと教えて頂きました。
ですが、見積・提案・引取り・納品までの一連の流れは経験していなかったので、最初は戸惑った点はありますかね。元々法人営業だったこともあって、個人向けのお客様への対応方法が慣れるまで少し時間がかかりました。法人営業なら、ある程度カチッと決まった型がありますが、個人のお客様はそうではないので。

お客様が望んでいる商品がどういったものか?というのを、ピンポイントで提案できるようになるまでは、商品知識を付けたり勉強しました。

はじめは、お客様の納得される価格、つまり安い商品の仕事が多かったんですよね。基本的にはチラシの中で「1枚○○円」というのを謳っていますので、それを選ぶお客様が多いわけです。

ですが、経験を積んでいったり、他のオーナーさんや本部の話を伺ったりしていくうちに、「どのような商品が良いのか」「ベストな提案方法はどういった形なのか」ということを身に着けていって、少しずつですがお客様にもベストな提案ができるようになったりと、変化が出てきましたね。でも今でも、お客様によって望むものは千差万別ですから、すっと提案できることもありますし、なかなか決めてもらえない時もありますよ。

技術的な面でのお話を聞かせてください。

たとえば、そこに障子があるんですけど、障子って結構、弛むんですね
シワが寄るんです。四隅にシュシュシュと出来てしまいます。障子に関しては、最初それが苦戦しましたね。

それに、襖も障子と同じく四隅に出るんです。
そういうのに悪戦苦闘しながら、お客様にきちんと提供できるレベルまで何度も張り直したりすることを最初はやっていました。さすがに最近はあまり無いんですけど。

とはいえ、基本的な部分ですし、お客様のご自宅に置かれるものですから納得いくものを丁寧にやるよう心がけています。もうちょっとスピードを早くしたいとは思いますが。

ただ、スピード重視でいくとどうしても品質にムラが出てしまいます。中心が歪んでしまったり、シワが出てしまったり。ただただ張り替える!ということを競争のようにやったら、お客様へ持っていけるのは10枚張り替えて1枚くらいかもしれません。

ですから、お客様への提案にも気は使いますが、それ以上に張替えについては細心の注意を払って作業を行っています。

お客様への提案、技術面でお話を伺いました。お客様と接点を持つ入口としての、チラシの反響はいかがでしょうか。

折り込みチラシは、開業当時から変わらずに継続して入れています。月によっても変わりますが、1~5万枚くらいでしょうか。チラシ以外の反響だと、毎月数件ではありますが、リピーターのお客様からお電話を頂くこともありますよ。他のオーナーさんの中には、ホームページを持っている方もいるようですが、私の場合は基本的にチラシです。

時期によって反響が上下することもありますよ。だいたいどの時期が反響が弱いかというのも頭に入っているので、それに応じて配布するチラシの枚数を調整することもあります。例年反響が多い月には、多めに撒くなどですね。

例えば、今月ですと5万枚くらいチラシを撒いていますが、4月から比較的お仕事を依頼してくださるケースが多く、5月が勝負の月かなと考えているので、いつもよりも多く入れているんですよね。

担当している商圏の中で、長い間チラシを撒いていると、全世帯に行き渡ってしまって効果が低迷するようなことはないのでしょうか?

そうでもないですね。
金沢屋では、担当エリアで5万世帯が目安なのですが、私が担当しているエリアの中で有効であるエリアは3万世帯程度だと考えています。

反響がまったくないエリアが2万世帯くらいあってそのエリアを除外して折り込みチラシを配布しているので、5万世帯に満遍なくチラシを撒くよりも反響を効率的に得ることが出来ていると思っています。

また、お客様も張替えなどの需要が常にあるわけではありませんので、継続して折り込みチラシを配布することによって、お客様のニーズが顕在化した瞬間にチラシを見ていただくことができるのではないかと思っています。

年末だと、大掃除時期ということもあり、襖・障子・網戸ともに張替えを検討されることが多いようで、反響率は高くなりますね。また、今の時期だと夏前で虫が入ってこないようにということも踏まえて、網戸の張替えの需要が高まります。

春と秋くらいは障子とか襖が多いように感じますね。
やはり家の中の間仕切りとかが障子とか襖なので、エアコンとかそういう冷暖房器具を使わない時に張り替えはしやすいんですよね。お客様としても、襖や障子が無くても良い気温で、開けっ放しでも全然寒くも暑くもない……という時期なので。

あとは、年末かな。年末は皆さん、家の中を綺麗にしておきたいみたい。

こんなふうに、年間通して多少上下はあるにせよ、時期に応じたニーズがありますので、コンスタントな反響が得られていますね。

襖・障子・網戸の全体を通していうと、私の担当しているエリアは一軒家が多いので、障子の張り替えニーズが多くなっています。

長年、地域密着で金沢屋を続けていて、認知度は高いと思いますか?

そうですね。古いチラシを持っている方って結構いますよ。「ずっと取っていたよ!」と言うお客様も結構いらっしゃいますしね。特に裏面が視力検査になっているチラシは、ご自宅に貼ってくださっていることもあります。

チラシは、本部が作っているものに多少オリジナルな要素を加えていますが、原則としては基本に忠実にやっています。プチリフォームの文言を入れてみたりしたことはあるのですが、反響が思いのほか良くなかったので、障子・襖・網戸・畳4つと視力検査をメインの内容にしています。

チラシではリフォームの反響が良くなかったとのことですが、リフォームの仕事もされていますか?

チラシの反響は良くなかったですが、実際はリフォームの依頼もあります。 とはいえ、簡単にご依頼いただけるわけではないですけどね(笑) 外壁塗装のお話を頂いたり、玄関のドア交換などを何回かやりました。

あと、サッシ関係は近くにサッシ工場があるので、その工場と連携を取りながら仕事をすることがありますね。

でも、基本は襖・障子・網戸の張替えだと考えていますよ。リフォームはあくまでご要望があればという程度。やはり基本をおろそかにしたくありませんから。金銭的にはリフォームの方が売上が高くなりますよね。でも、やっぱり本業で土台を築いてから……と思っているところはあります。

長年やられていらっしゃいますが、リピーターのお客様は多いでしょうか?

そうですね、3年位経った頃からリピーターさんが増えてきましたね。
リピーターづくりという意味では、こちらから無理な営業はせずに、一つ一つの仕事を丁寧にすることに努めていますね。強引な営業をするとお客様から気に入ってもらえませんからね。もちろん営業も大切だとは思いますけど、その線引きは難しいですよね。

今までやってらっしゃって大きな失敗のようなものは在りますか?

大きな失敗と言う意味では、そこまでの大きい失敗はありませんね。
最初の頃、納品した後に剥がれがでてしまったのは失敗と言えるかな。当然、すぐに張りなおしに伺って、やり直してきましたよ。厳しいお客様ではなかったので事なきを得ましたが、それ以降はそのようなことがないよう細心の注意を払っています。

金沢屋に加盟してみていかがでしょうか?

サラリーマンの時と比べて通勤時間がなくなったということもありますが、自分の時間を自由に作れるようになったことが大きいでしょうか。休んだら休んだ分だけ収入は減りますが(笑)ただ、体を壊すような働き方はしないようにとは思っています。健康あっての話ですから。売上を上げるのも大事だとは思いますが、精神的にも体力的にも厳しいことはしないようにしています。

通勤もそうですが、前の仕事は休んでいても電話がかかってくるような仕事だったので、大変でした。お客様からいつでも電話がかかってくるという意味では、今も同じかも知れませんが、今は自分の裁量が大きいですからね。不安はあるけれど、ストレスは少ないのではないでしょうか。

忙しくて体力も必要な仕事ですが、トータルで考えると、サラリーマンのころより今の方が良いかもしれません。

将来の展望をお聞かせください。

やはり独立してやっている以上は、それなりに儲けたいと思いますし、儲けた以上は使いたいですよね(笑)じゃなきゃ、サラリーマンをしていますよ。

あとは、人を雇って仕事が出来るようにしたいことですかね。

金沢屋に向いているのは、どういう人だと思いますか?

人好きすると言うかコミュニケーション能力が高い人でしょうか。
私自身は引きこもりのタイプなので、本当にそうかと言われると何ともいえませんが(笑)

長時間お話を聞かせていただき、ありがとうございました。

店舗詳細

金沢屋 揖斐大野店
岐阜県揖斐郡大野町

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